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人はラミアの巻き付きから無事に抜け出せるか?

癇癪玉の出番は……(こっちには)無いです。「それが肩力」とか使いたいですが出番無いです

 ディアボロス学園の朝……とりわけ、ラミアのミラ、半幽スライムの真理、ドラグーンのドラグリア、そして人間である遊斗の4人が住んでいる666号室の朝は早い……


「……んー……、……! なんじゃこりゃあ!」

 まずいきなり叫んだのを謝る、ごめんなさい。

 でもまあ……目が覚めたら何故かラミアに捕食される寸前になっていたら誰だって叫ぶでしょう?

 かのチャーリー君だって、イチゴパンツのミハエルちゃんに興奮するのはおかしくないと熱弁……ちょっと待て。誰だチャーリー君、そして誰だイチゴパンツのミハエルちゃん。

 寝起きで意味の分からないことを考えてしまった。が、今はそんな場合じゃない。ボス戦で「今は逃げている場合じゃない」と言われるのと同じ様に、今はそんな無駄な妄想で時間を消費するわけにはいかない。

 まず最初にやるべきことは……

「ミラさん起きて! ミラさん!」

「ん〜……あと5℃……」

「何が!? ……痛っ、せめて緩めて! そろそろキツいから緩めて!」

「うるさいぞ、秋茄子ことユート!」

「ドラグさん起きて……って、秋茄子って誰の事!?」

 誰だって蛇に絞め殺されかけていたら叫ぶし、秋茄子という不名誉極まりなくかつ意味不明なあだ名をつけられていたら叫ぶ。誰だって叫ぶ。

 蝉が目に向かって飛翔してきた時と同じぐらいに誰だって叫ぶ。

「黙れ馬の骨のユート、可愛いミラの布団に入れてやったのだから男として有り難く思わんのか? そして感謝せんか、私に」

「感謝出来る要素がないよ! 何が悲しくて朝一番に死にかけなくちゃいけないの!」

「叫ぶ余裕があるのなら大丈夫だろう?」

「人生終焉のカウントダウンが始まってるから大丈夫じゃない!」

 そうこう言っているうちに、少しずつ締め付けられているのだが。

「…………余程体温が低くない限りは10分で解放されるハズなのだが……まあ、頑張れ」

「覇」?

「いや、つい30分ほど前に放り込んで、とっくに解放されているだろうかと思っていたのだがな…………お前、平常時の体温が低いのではないか? いや、あくまでも一つの仮説なのだがな……」

「まあ、確かに平熱は低めですけど……」

「なるほどな……蛇ら周囲の気温で体温が変わる生き物という事は知っているな?」

「ああ、うん。変温動物っていうんだよね? ……ミラさんも?」

「ああ、そうだ。変温性でありかつ……ラミア系統には特殊な能力が一切無いからな。ゆえに……朝は弱いらしい」

「…………せめて一言言ってくれないかな? 僕だってこういうのは……心の準備が……」

 嫌と言えないのは日本人の性か、ミラさんが可愛いからか。

「ん〜……暖めたの誰? ……ああ、ユートか……こうして近くで見ると、ユートって……くか〜……」

「二度寝!? 二度寝なんで!?」

 この後無茶苦茶二度寝した。


A.抜け出せたけど、ミラさんを起こすことは出来なかった。

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