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魔王の足音

『クク……是非も無し……』

 信長が、木に磔にされた遊斗を見て呟いた。

 まるで邪悪な儀式の始まりのようだった……

『スネイルよ、貴様にしては見事な作戦だ……』

「……貴様が寄越した隠れることしか能のない兵……貴様は暗にそうしろと言っていたのだろうが」

『……まあ良い。我の意に気付くのもまた才よ。ただ……慎重過ぎてはいまいな?』

「……どういうことだ?」

『いや……我は迅速な進軍を尊ぶ。敵の不意を付くためにな……だが、貴様の作戦、風のように疾風はやい行動もなければ山のようなかたい意志も無い。及第点をやるわけにはいかぬな……』

「…………」

 信長の言葉に歯軋りするも、態度に出すことはなかった。

『してスネイルよ、我との契約……忘れたわけではあるまいな? ……我に匹敵する力を与える代償……万が一にも貴様が敗北した場合には魂ごと消滅するのだぞ?』

「……構わん。儂が魔王の子やエキドナの女如きに負けるハズがないであろう」

 そう言ってスネイルは、気絶している遊斗に対し、牙を突き立てた

「…………っ……!」

『……スネイル、何をしておるのだ?』

「ちょっとした余興だ……儂から奴らへの、まず第一の復讐である」

 そう言ってスネイルは大きく高笑いをした……



 ドラグリア達の報告を受け、ディアボロスは血の匂いを辿り犯人を探し、ついには犯人を……遊斗の誘拐、夫・コンコルドの襲撃、両事件の犯人だ……を見つけ出した。

 敵をロックオンしたディアボロスは敵に対して先手を打つべく、即座に行動に移った……

「……撃滅する。魔王の力、魔獄ディアヘルズ

 信長達2人の不意を討つように、ディアボロスは紫色に暗く光る魔法陣を展開して魔法を即座に放った……

 局部的に地獄を生み出すディアボロス専用の魔法……しかし、その地獄の中にいてなお、2人は限りなく無傷に近い状態だった。

「お前が現魔王か…………フン! 温い! 温すぎる! 儂をナメておるのか!」

「そんな……! なんで効いてないの……!?」

『そ奴は我の力を分け与えられ、魔王に匹敵する……否、貴公のような並みの魔王以上の力を得ている……』

「…………なんの為に……そんな奴に……!」

 睨むディアボロスに対して、飄々とした風に信長が答えた。

娯楽たのしみ故にな……貴公には理解出来ぬかもしれんが、我は命懸けの戦を見るのが好きなのだよ……命懸けの戦であれば、人間が何千人、何万人倒れようとも、構わぬ。そのような男こそがこの信長だ。』

「…………っ!」

 おぞましいほど飄々としている信長の態度に対して歯軋りをし、再び睨んだ。

「フハハハ! 今代の魔王、所詮貴様はその程度の悪魔なのか?」

「………………す」

 スネイルの言葉に対し、蚊の鳴くような声で何かを呟いた。

「…………滅ぼす……

滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす滅ぼす……」

「な……っ!」

『フハハハハハハ! 良いぞその顔! 是非も無い!』

 先程の数十倍にも及ぼうかという魔法陣を展開したディアボロスに対して、スネイルは驚愕……信長は感嘆で返した。

「信長……あなたは……わたしが……滅ぼす。」

『是非も無し! 森を抜け、開けた場所にて雌雄を決しようぞ! フハハハハハハハハハハ!』

 そう言って信長はどこかへと走っていった……

 そしてディアボロスも、信長を追うように走っていった。

「……ククク、信長も哀れな奴よ……」

 気絶している遊斗に近寄りながら、つぶやく。

「儂の目的なんぞ復讐のみ……魔王なぞ最初から眼中に有らぬわ! まずは、復讐の第一手……死ね小僧!」

 スネイルは卑怯にも気絶している上に磔にされている遊斗に対して牙を剥いた……

 その牙は遊斗に達すること無く、スネイルの体諸共炎に包まれた……

「グァァ……くっ、おのれ……出来損ないのエキドナの分際で……!」

「出来損ないかどうか……試してみるかしら? 今度は締め焼きを試してみようかしら……ね!」

 ミロンは地面をのた打ち回るスネイルを一切情け容赦無く締め付け、そして自身の炎でスネイルを焼いた……

「ぐ、ぐぉぉ……」

「焔蛇妃の業火……まだまだ焼き足りてないようね!」

 ミロンは燃え盛る自身の半身でスネイルの顎を締め付け焼いた……

「グググ…………」

「今よミラちゃん!」

 スネイルの毒牙から遊斗を守るように遊斗の前に降り立ったミラは、数千数万という、ディアボロスの魔法陣よりも遥かに巨大な一塊の魔法陣を広げ、杭のような氷塊を拘束されていたスネイルに対して放った……

「死になさい、孤独な蛇のゾンビ……」


イズモ「今回は第六天魔王こと織田信長……ってモンスターどころか架空の存在ですら無い!?」

真理「おおまかなとこは歴史の教科書読んでってなるんだけど、第六天魔王の名称についての解説になるのかなぁ? 勿論お兄ちゃんの」

イズモ「ええっと…………確かですけど」

真理「資料を机に置くって、相当自信あるのかなぁ?」

イズモ「最初に第六天魔王を名乗ったのは武田信玄の書状への返信の際、『天台座主沙門信玄』という署名の返しとして『沙門』より格上の第六天魔王を名乗ったらしいです」

真理「合ってる……みたい」

イズモ「ちなみに武田信玄の意図としては、神仏の加護を受けて勝つという宣言のようなものだったのですが、織田信長は対抗して更にその上、第六天魔王を名乗ったわけですね」


真理「そういえば、織田信長ってさ……お○○○○の柄のきものを」

イズモ「~~~~っ! いくらなんでもちょっと下品だよ! 真理ちゃん!」

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