蛇は何処だ/勇者は生存本能で解毒出来なかった
「勇者より毒耐性の強い兄さんは嫌いだ……」
「ハルトォォォォォォォォォ!」
「なるほど……あの亡蛇はミラの父方の……」
「まあ、ボクがわぁいって叫びたくなるようなハメ技で片付けたんだけどね〜!」
666号室では住人4人に加え、当事者であるところのエキドナさん、そして……
「………………」
理事長兼魔王のディアボロスさんが貼り付けたかのような無表情で正座していた……
「…………最近勇者分が足りない……」
言っている事の意味は分からないが、非常にどうでもいいことだろう。
「……情報を整理するけど」
なにか考え事をしているミロンミラ親子、物思いにふけるドラグさん、いつものようにニコニコして這い寄ろうとしている真理ちゃん、敵の残留魂を665号室地下室で解析している魔女先輩とラトはさておき、どうでもよさそうな事を考えていそうなディアボロスさんを現実に引き戻す為に、情報をまとめてかかることにした。
「まずディアボロスさんの夫のコンコルドさんが、大蛇では済まないような巨大な蛇人に襲われたんですよね?」
「うん。10メートルはあるゾンビスネークだったらしい…………包丁で切れるかな……?」
操縦し易いというかなんというか……言っちゃダメかもしれないけど、この人はすごい誘導し易い人だ。
大切な人の為と言えば大抵の事はやってしまうような、そんな危うい心を持っていた……それと同時に、限られた例外を除いて他人の言うことはほとんど聞かないような自由な精神も持ち合わせているようだ。
「それで……真理ちゃんの方は?」
「う〜ん……精々アフリカ象ぐらいだったかな〜?」
「なんでアフリカ象なの? あと何がアフリカ象のどれと同じぐらいだったの?」
説明と呼べない程の、あまりにも説明武装区……もとい、あまりにも説明不足な言葉だった。
「まあ、10メートルっていうほどおっきくなかったかな? 精々その半分もないくらいじゃなかったかな〜?」
なるほど、あくまでも真理ちゃんを襲ったのは陽動か牽制か、とにかく本気ではなかったようだった。
「こっちの2体もだいたいそれくらいだったし……」
「…………10メートル……ディア姉さん、それって……」
「十中八九、大ボスね……ディアちゃん、この一件の調査に関しては私達に任せてくれるかしら?」
「……分かった。何か情報が入り次第教えて」
そう言って、ディアボロスさんは帰ろうと立ち上がった。
……直後、バランスを崩したのか、倒れこんた……
「足が……痺れた……」
「……なんでわざわざ正座していたんですか?」
この人、クールで無表情なイメージだったけど、意外とへっぽこな一面もあるのかもしれない。
「……あの蛇の眼、どこかで見たような気が……」
魔王城にて、サマエルの治療を受けている勇者が呟く……
「ねぇユーシャさん☆ 今、君の腕を時間がないから麻酔無しで手術してるんだけどさ☆」
「ああ、それで?」
「…………なんで悲鳴や叫び声の1つや2つすら上げないの! 武神にでもなるつもりかな!」
「…………このくらいの痛みには慣れた」
「…………ディアボロス様、マジで勘違いしますからね……」
無言での手術に戻ったサマエルを一瞥し、勇者が呟いた。
「あの眼……もしかして…………痛っ!」
「完全に毒を抜かないと危ないから仕方ないね☆」
「だからって抜きすぎるなよ?」
つい十数分前まで毒で死にかけていたのに、元気な勇者だった……
『ククク、我の進言を呑まぬからこのような事になるのだぞ、スネイル……』
学園から少し離れた、森の端……ガラガル家末席による誘拐作戦の失敗を受け、信長が笑いながら言った。
「黙れ! 所詮これは小手調べだ!」
「ほう? では……あくまで犬死にではないと?」
「ぐ…………」
「…………まあ良い。我の嫌うものは過去と風習、そして無駄だ。これ以上我が蘇らせた兵を無駄にするというなら……我にも考えがあるぞ」
火縄銃をスネイルの額に当て、信長が言った。
「だが、我が貴様に助言してやらぬこともない……このままでは退屈凌ぎに蘇らせた蛇がすぐに死んでしまう。これではあまりにもつまらぬ故にな……策と兵を与えよう。変わりに……我を、この信長を精々楽しませろ。我を追い詰めた長政、天台座主沙門信玄、そして我を火で焼いた金柑頭程という贅沢は言わん。貴様が精々に我を楽しませろ」
「…………」
「無理、などとは言わせん。これも契約なのだからな……我と貴様のな……フハハハハ!」
高笑いを残して、信長はどこかへと消えるように去っていった……
イズモ「前回に引き続き」
真理「甲賀忍法帖」
イズモ「…………」
真理「えっ?」
イズモ「えっ?」
イズモ「気を取り直しまして、今回もバジリスクです!」
真理「今回は(意味不明な)対処法になるのかなぁ?」
イズモ「まあ、覚えておいて損はない、バジリスクの対処法です!」
真理「……バジリスクと遭う事ってあるのかなぁ? ……無いよね?」
イズモ「蛇タイプのバジリスクにとっては、イタチが天敵だったみたいですね。伊達さんじゃないです。イタチです」
真理「…………なんでイタチ?」
イズモ「わかりません。イタチの放つ悪臭で死んじゃうらしいですけど……あ、資料の備考欄にスカンクの可能性有りって書いてありました。そしてもう一つはヘンルーダという『どくけしそう』を用いる方法ですね。人は毒を回復して、毒蛇は死ぬ、そんな理屈らしいです。ちなみにニワトリタイプは……雄のニワトリの声を聞いただけで死ぬらしいです」
真理「…………えっ?」
イズモ「……あ、だから、雄のニワトリの声で死ぬ」
真理「えっ? ……スペランカーより弱くないかなぁ?」
イズモ「…………弱いね、本当に……」




