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炎蛇女は己の過去を回想するか?

炎蛇女、夫を殺した

此事、許される也?

答えは是、此は罰也

男は死んだ、骸は灰

骨は瓦礫、魂は何処

魂は彷徨う、蛇求め

そして逢う、蛇の婿

魂は怒り、牙を剥く

牙刺さり、娘怒らす

魂焼かれ、二度死す


遊斗「なぁにこれぇ」

ドラグリア「知らん」

(あくまでも予告のような感じです。変更になるかもしれませんが……)

 夫……否、あの男の言い放った言葉……暴言……にミロンは耳を疑った。

「エキドナを産めない貴様にも、エキドナになれないアイツにも価値は無い。お前達など死んでしまえ。儂は別のエキドナを娶る」

 仮にも自分が強引に妻にした女と自分の娘に、ひとかけらの愛情もあればそんな暴言は言わないであろう。だが、あの男は私に対して……仮にも妻である私に対して言い放った。

 それだけであればまだ良い。居心地の悪いこの屋敷から出て行けば良いのだから。ただそれだけで済む話なのだから。

 だが出て行こうと荷物をまとめている最中、あいつは私の逆鱗に触れた。炎蛇竜エキドナの逆鱗に触れた。

 赤の他人になる私の子、そして炎蛇竜エキドナの娘に手を出した。虐めた。虐め殺そうとさえしていた。

 怒りによって燃え盛る炎鱗で全身からだを締め付けながら、私は問いかけた。

「あなたに我が子への愛情は欠片さえないの?!」

 だが、あいつはその問いにこう答えた。

「名門ガラガル家当主である儂の子は名種でなければならぬ、故にラミアなど儂の子ではない。貴様にも儂の妻である資格などない。分かったら今すぐ舌を噛みきって死ね!」

 …………その後はあまり覚えてないわ……気が付いたらあいつは首の骨が砕けて死んでいて、私はミラにしがみつかれてた……

 あの後……屋敷を燃やして逃げて、せめて娘だけでも当時魔王だったリリスさん(同じ母親として対等な立場で良いと本人に言われたからこそこの呼び方なのである)に保護してもらおうと魔王城に向かい……そこで大まかな事情を把握したリリスさんによって親子揃って保護されたわ。

 あくまでも非公認な婚約であったから、ガラガル家の要求も魔王リリスの名の下に拒否出来るどころか、むしろ此方側から命令出来る状況だったから、リリス様の『御命令』でガラガル家を人間界に追い出してやったわ。

 だってあの一族は放任主義者のリリスさんでさえ放置するのに難色をしめしてた程の純血主義者の屑の集まりだったもの。リリスさんも良い機会だと言わんばかりに私に遠回しに要求してきたわ。

 かくして悪しき一族は人間界の世界に追放され、後に勇者とその一行の手によって斬られるのであった……みたいな?



「まあ、ざっくり言えばこんな感じだったかしらね? ディアちゃん」

 リリスさんの娘、ディアちゃんが過去の事件の調査をしていたから、教えてあげた。

 ちなみに魔王のこの子をちゃん付けで呼ぶのは半分母親代わりだった私かリリスさんぐらいのものだろう。

「ところでディアちゃん、なんで私にこんな事を聞いたのかしら? 教えてくれないかしら?」

「…………亡霊」

「亡霊……?」

「あの男、そしてあの一族の亡霊が出たの……勇者コンコルドでさえ歯が立たなかったらしい……」

 ……あいつらめ……いつまでも私の、私達の邪魔をしてからに……!


イズモ「…………遊斗さん、死なないで下さいよ……?」

真理「お兄ちゃんは終盤でsinじゃったもんね」

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