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選択の結果~スキュレーの場合~

留学生のとあるスキュレーが主人公のお話です。マコトさんぐらいしか本編キャラの出番が有りませんが、悪しからず……

ちなみに某キャラは某氏に借りました



……まあ、過去の和久名自身なんですけどね。諸事情によって(スランプによって心鬼一転したかったからともいう)名前を変えてキャラをリメイクしたとも言いますが……

 私、アダカ・シルキュレはスキュレー族の乙女だ。下半身がタコであろうとも、乙女は乙女だ。


 私はとある生徒バ会長の所為で、コスギ君のいた世界へと留学する事になった。あくまでも、2週間の試験的な留学だが、本人及び留学先の学校の承諾があれば期間を延ばせるらしい。

 そのような旨をクルマでの移動中に、橋渡し役の人(何故か縛られていたけど、そういう趣味なんでしょうか?)から聞いた。

 だから、クラスに馴染めるように頑張りたいし、クラスのみんなとも仲良くしたいと思って、気合いをいれて自己紹介をした……

「は……はじゅめまして……アダカ・シルキュレでしゅっ……」

 それがこのザマである。


「アダカさん、すごい可愛いね」

「ありがと……」

「しかも胸おっきい!」

「え? ちょ……胸はやめ……」

 自己紹介では色々ミスしちゃったけど、クラスに馴染めそうだから結果オーライ……


 なんて言うと思ったら甘い……

 彼女達はあくまでも私の上半身だけを見ている。タコの部分は見ずに上半身だけ、所詮上辺だけの評価……

 留学初日のコスギ君に気絶されてしまった程の奇怪度は伊達じゃない…………あのビビり具合を思い出しただけで泣きそう……

 それはさておき、せめて誰か1人でも(男子でも良い。別にこのさい男子でも構わない)足に触ってくれるような猛者はいないのだろうか……?

ぴとっ

「……ぴとっ?」

 誰かが私の足に触ったのだろう。でも誰が……

 そう思って視線を右側に向けると、そこには猫が居た……

 訂正、何故か猫耳をつけた女の子……否、男の子? 娘が居た。

「……? どうしたの?」

「…………スキュレーさんの御脚……素晴らしいよ美しいよスパスィーバ」

「…………?」

 誰がどう見ても変な子だった。というか何なのだろうかこの子は……いつの間に私の周りに近付いていた女子の壁をかいくぐって接近していたのだろうか……

「あ、ぼくは永本ユウ。よろしくね!」

「…………よろしく」

 自己紹介の最中にもユウ君(コスギ君と何か関係があるのだろうか)に脚を触られた……

 まるで恐れることなく私の足を触るその勇気には感嘆する以外にないのだが、何故この人は男なのに猫耳を付けているのだろうか?

「ん〜ちょっと失礼……ウィン、ウィンウィンウィン、ウィンウィン……」

 私の足を取り、ヴァイオリンでも奏でる奏者であるかのように頬擦りをした。

 まるで意味が分からない……なんなのこの人……誰かツッコミは居ないの? いや、みんななんでそんな小動物のじゃれあいを見るような微笑ましい目で見てるの……? 端から見ているとそんな風にしか見えてないの?

 ……ちょっと〜! みんな〜!


 第一印象から若干変な子のイメージだったのに……

「ねぇねぇアダカさん! 一緒にご飯食べよ!」

「……触らない? あとそれ……」

「うん! たこ焼き!」「……共食いになるのですが、それは……」


 昼にはたこ焼きを勧められ(しかも触手枕させられましたし……)


「ねぇねぇ、アダカさんの家ってどこなのかな?」

「ええっと……場所はこのメモに……」

「あ、ぼくの家と結構近いから、一緒に帰ろ!」

「あ……、なんで手じゃなくて足を持つの……?」

 放課後にはユウ君と一緒に帰ることになったり(セクハラ一歩手前どころかド直球でセクハラな質問をされたのは内緒です)……


 そんな事があったという事を、橋渡し役(正式名称は覚えていません)のマコトさんに相談してみた。

 マコトさんは男だけど、何故か私の話にいくつか共感したりしていた。身近な所に性別が逆になっただけの似た話があるのだろう。

『なるほどね……それでアダカちゃんとしてはやっぱり苦手意識を持っちゃったのかな?』

「……苦手意識?」

 とりあえず相談してはみたものの、苦手だとか嫌だったとかではない……ただ、とりあえず相談したくなって相談したつもりだった……

『まあ、アダカちゃんにも分からないような事はあるんだろうけどね、ひょっとしてその子はアダカちゃんの気を引きたかったんじゃないかな? 好きな子にイタズラするような心理の延長みたいな感じで』

「…………」

『だから、アダカちゃんはその子の事を嫌いになる必要はないし、むしろ……え? メタトロン、何して…………アッー!』

 何やら取り込み中になったらしいから、そっと受話器を置き、電話を切った。

 あの子は私が好きだからスキンシップを図っていたのかもしれない……

 なるほど……なかなかに可愛い子だ、彼は。


「おはよーアダカさん!」

 後ろから追いついてきたユウ君(今日は犬耳だった)は思いっきり手を振って私に挨拶してきた。

 私はそんなユウ君の体に触手を伸ばして、全身でスキンシップをする事にした。

「ユウ君……私はあなたが好きなのかもしれません」

「…………アダカさん!? ……い、いつのまに僕はアダカさんを攻略し終えていたの!? まだエッチシーンを1つもこなしていないのに……!」

 ユウ君が妙な事を口走っているけど、おそらく昨日クラスメートに聞いたユウ君特有の妄言という物なのだろう。それを含めてユウ君なのだから、遠慮なく受け入れていこう。

「アッー! 触手に巻かれて気持ち良いよー! ……あひぃっ!」

 ……つい興奮し過ぎて首を締めてしまいましたけど、愛故に致し方ないですよね。


イズモ「今回紹介するのはスキュレーですね」

アダカ「……私?」

イズモ「まあ……そうですね

元ネタの方のスキュレーは元々精霊だったらしいですね。ですが、キルケという魔女の……お約束というか、またしても逆恨みで……

……ドロドロし過ぎて精神的に辛いです……

……あ、元ネタのスキュレーは触手ニュルニュルの怪物ではなくてキメラ的な怪物ですね。それが紆余曲折の末近年は下半身が蛸のモンスターがスキュレーになったらしいです。……人の妄想力は凄いですね……」

アダカ「触手布団で休む?」

イズモ「よい子も悪い子もお構いなしにおねんねしちゃいませんか? それ……」

アダカ「……ユウ君は喜んで寝るのに……」

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