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ラトのエピローグ?

「ククク……これが世界の選択というワケか……」

「意味わかんないこと言うのなら、アーニャさんに全部任せる事に変更するよ? 今ならまだ間に合うハズだし」

「……ごめんなさい」

 学校の廊下で転校生の紹介を待っている間も、先生に頼んで見張りをさせてもらっている。

 まったく、乃原さんは……いや、ラトは……

 あの時変わったと思ったのに、なんでまた暴走したがるのかな……


「ラトを君と同じ学校に転校させる……?」

 アーニャさんがなんだと? と言わんばかりの表情で聞き返した。

「そうです。それが僕の決めた乃原さん……いや、ラトの処遇です。許さないし逃がさないから、僕の目の届く範囲に留まらせる。それが僕の答えです」

 今後の様子次第では許さなくもないけど、とりあえず今は許さないというのが僕の答えだ。

「ユート……っ、ぼくを大切に思ってくれてるのはありがたいけど」

「思ってない」

 大切なところだから、きっぱりとツッコんだ。

「君がぼくをぞんざいに扱うのなら、ぼくにも考えがあるよ? …………ぼく達だってこの程度の失敗は計算の範疇」

「あ、みなさんあっちの方角を見てくださいよ」

 話を遮るように、イズモ君が南東の方角、僕のほぼ真後ろを指差した……

 直後、空を焦がすような大きな爆発が見えた。デデーン! といえるくらいの巨大な爆発が見えた。

「どうやらラト、君達の作戦は空に散ったようだな」

 いったいどういう作戦だったのかは精神衛生上気にしないことにする。

「どうもみなさんすみませんでした。ユート君の言うとおりにするのでどうか命だけは勘弁してください」

「まあ……これにて一件落着だね……」


「……というわけだ。転校生、入ってこい」

 ようやくラトが教室に入る時がきた……

 僕は廊下で見守ることにするが、ラトはうまくやれるだろうか?

「……転校生、名前は?」

「小杉ラト……です」

「……本名は?」

「え? だから……小杉」

「本名は何だ?」

「だから小杉ラ」

「本名を聞いているんだ。偽名じゃない」

「…………乃原ナイハラ ラトです」

 本能的に危機を察知したのか、なんとか鬼嶋教官を怒らせる前になんとかなったようだ。

「あー、こいつは小杉遊斗の友人で、邪神だ。仲良くするように。以上!」

 放任主義ここに極まれりだった。僕の時もそうだったけど、あまりにも適当過ぎるんじゃないかと思う。

 まあとにかく、晴れてラトは僕達のクラスの仲間入り……

「やあみんなはじめまして、ぼくは小杉ラト……みんな大好きユート君の婚約」

「嘘を言うな! ……ですの」

「しゃーくっ!」

 早速ミラさんによるクラスの洗礼を受けてくれたようで何よりだ。

「あははっ、嘘はいけないよね〜?」

「げ、イズモ……? にしては微妙に胸が……平たいけど……」

 ……音から察するに真理ちゃんからも一発やられたようだ。

「まったく……落ち着け、2人とも……」

「…………あ、ありがと……?」

「……よし、私の殴る余裕はあるようだな」

「……え?」

 そしてドラグさんのターンが始まった。

「ユートから聞いたぞ、貴様が戦争を引き起こしかけたと……」

「え?」

 確かにそんな事をドラグさんに説明したのだが、解釈が少し違うような……

「……歯を食いしばれ」

「え? ちょ……ひぎぃ!」

 …………そろそろ止めた方がいい気がした。


 ……この後止めようとしたらミラさんにビンタされて気絶したのは内緒だ。


ラト「ぼくとユート君が結ばれるという解釈でいいのかなぁ?」

イズモ「はいよるこんとんさんは黙っていてくれませんか?」

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