人は総理と面談出来るか?
ユート「アイエエッ!?ナンデ!ソウリナンデ!」
「ええっと……その……僕は一応ただの学生なのでですね……」
「君があの小杉遊斗君だね? わたしが雨狸総理だ。名前と顔ぐらいは知っているかね?」
初老のおじさん……とは言っても今の総理大臣である……が僕に手を差し出してきた。
僕は震える手でその手を握った。
「ほほほ本日は御日柄も良く、なので」
「遊斗君落ち着いて、それは結婚式の時に言う言葉だから」
…………深呼吸したら落ち着いた。大丈夫だ問題ない。一番良いのを頼む。
「今日はありがとうございます、総理。ぼくの無理を聞いていただけて……」
「ホホ、構わんよ。この街にもう少し居られるのだからね……ところでマコト君、君はわたしに予定を早めてもらいたいと言っていたのだが、それはどういった理由があったのかね?」
「はい、それはですね…………ぼくの組織にスパイがいる可能性を考慮しまして、ぼく達を含んだ6人と遊斗君だけが今日この場所での会見を……もちろん、中身も含めての話ですけど……知っているという状態にしたかったからです。それに……非常時に備えた配慮でもありますね。地方の街での会見にしたのは」
「うむ……非常時とは?」
「万が一に敵が……強行派が襲いかかってきた場合ですね……人的被害を0に抑えやすいという意味では、査察に訪れた八尾町の役場が一番良いかと思いましてね……」
ほとんど緊張していない様子のマコトさんがスラスラと総理に対して言った。
「踏んできた場数が違いますからね、マコト君は……」
「場数……って?」
「失敗が許されない交渉の場であります……マコト殿は百戦錬磨の交渉人でありますよ。ある時は熊のような御仁、ある時は見た目幼女の中身老婆、またある時は銃を持ったテロリスト」
「ちょっと待って最後おかしい、1個前も十分おかしいけど、なんでテロリストと交渉しに言っちゃってるの!」
「懐かしいですな、マコト君……あの時の事は本当に感謝していますよ……」
「……あ、冗談じゃなくて本当に交渉しに行ったんだ」
まあそれはさておき……
「僕を抜きにして6人って……まずイズモ君さんとマコトさんに、メタトロンさんと雨狸総理……これで4人ですよね? では、残りの2人……」
そこまで言ったところで、いつも通り狙いすましたかのように携帯が鳴った……
まあ、つまりそういうことだよね……




