人魚は王子を落とせるか?
サブタイトル通り、シーホースさんが主役です
「もしもさ、おねぇの好きな男の子が誰かに取られちゃったら……お姉ちゃん、泡になって消えちゃうよ?」
アタシ……こんな一人称でも室見さんではない……ことシー・A・マインは、恋(なのかはイマイチ分かんない)に悩む姉のシー・A・ホースに言った言葉は、ぬるま湯で満たされていたお風呂中に響き渡った。
「…………え」
「陸に上がった人魚の話は知ってるよね? 美しい尻尾を失ってまで足を手に入れたのはいいものの、愛しの王子様に振り向いてもらえず、最終的には泡になって消えちゃう可哀想なお姫様のお話」
まあ、関係ないけどね。鬼ぶっちゃけ泡になって消えちゃうのも嘘なんだけどね! でもまあちょっと面白そうだし茶々いれちゃおっと。
「おねぇが好きなあの人、ユートさんだっけ? あの人、最近よくラミアかスライムと一緒にいるよね。しかも、ラミアの方なんかいっつも手を繋いでるよね」
まあ、明らかに恋人のつなぎ方っていうよりハグレないようにっていうつなぎ方だけどね。
「…………マイン、わたくしは何をすれば良いの?」
学習しないねぇ、ホースねぇも……まあ、アタシとしてはこっちの方が(面白いから)良いけどね。
「イシシ、それはね…………ゴニョゴニョ」
「………………え? ……ええ!? えええええ!!!!?!」
イッシシシ……ひとまず作戦は成功かな……? あとはおねぇがうまくやってくれれば……イヒヒッ!
明日が楽しみだねぇ、本当に!
……こうするしか無かったのは分かるけど……本当にこれで良かったのかしら……? なんだかマインに良いように言いくるめられた気がするのですけど……
あ、わたくしは今自室の800号室でユートさんを待っています。放課後にお誘いの手紙を渡して……逃げる最中に後ろからユートさんの悲鳴が聞こえた気がします……一目散にお誘いしたわたくしの部屋に逃げ帰って待っています。
準備も出来たので、後はユートさんが来るのを待つだけですね…………驚いてくれるでしょうね、きっと……! 何せ|被っていない(・ ・ ・ ・ ・)んですから……!
さあ早くカモンです、ユートさん……!
「ここ……だよね? 」
ミラさんの締め付けから解放された後、僕は男女共同寮(階によって分かれているが)の800号室の前まで来た。
そこはとても磯臭くて、この場所に招いたのは特別な理由があるからだなと察した。
「シーホースさ〜ん? ……入りますよ?」
ノックをしても返事がなかったから、とりあえずゆっくりと開けてみることにした……
そこには絶世の美少女が居た。マリンブルーの髪した全裸の魚人がいた。
……碧い髪の少女は上半身に何もつけていなかった。いわゆるつけてない状態だった。
こんな時、やるべきことは1つ……
「すいません、失礼しました」
……………………………………
誰だ今の。
いや本当に誰だ今の? 妹のマインちゃん(ちなみに活発そうで可愛い子だった)には一度会ったことがあるけど、その子とはベクトルの違う可愛さだった。
いや本当に誰なんだあの子いったい……
「オデドイッジョニダダガッデ」
「ユートさん?」
「ウェァッ!」
ドアの前で考え事をしていると、シーホースさんが思いっきりドアを開けたせいで後頭部を強打した。
「…………シーホースさん?」
「そうですよ? 今日は被り物していませんけど」
「…………本当に、シーホースさんなんだよね? へ〜素顔は可愛いんですね」
「…………ゑ?」
ついついド直球で感想を言ったら、鳩が豆鉄砲でも喰らったかのような顔をした。
「…………ゑェっ!? わたくしの事を……可愛いって……」
「まあ、被り物は若干というか、かなりアレだったけど……かなり可愛いよ、シーホースさん」
「あわわ、ユートさんがわたくしの事を可愛いって……」
「?」
今日のシーホースさん、なんだか変だ……熱でもあるのかな?
「シーホースさん、ちょっと触るので……動かないで下さいね?」
「さささ触る!? …………優しくしてください」
「え……ええ!?」
今日のシーホースさんは本当に変だ。比較するなら、『市場調査部によれば(略)精霊』の名前ぐらいに変だ。もしくは『 』の名前ぐらい変だ
いったいどうしたんだろうか?
「ウヒヒ……面白い事になってるじゃ〜ん! アハッ」
アタシの助言をマジに考えちゃったのか、おねぇは全力でオトしにかかっていた。
隣の部屋からこっそり覗いているんだけど、かなり面白かった。
というか、ブラを外してお兄さんに迫った辺りからむしろ申し訳なく思えてきた。というかおねぇは真面目に何をやっているの? おねぇがお兄さんを好きなのは分かったけど、あまりにも……バカじゃないの? バカップルじゃないの?
……でもまあ、そろそろ良いよね? ネタバラシしちゃっても
「やっぱりそういうことね!」
特に意味はないけど、乱入するときはそうしなさいって見知らぬ白い子に教わったから、よかれと思って言ってみた。
後悔なんてあるわけないっ☆
「マママ、マイン!? ……いつからそこに」
「最初から! 面白かった!」
笑いながらアタシがそう言うと、おねぇの隣に居たお兄さんが、高笑いして言った。
「ッフフ、アハハハハ! …………全部マインちゃんの仕業っていう認識でいいのかなぁ?」
「ゑ?」
いや、まあ、確かにアタシの仕業ではあるんだけど、おねぇを応援しようっていうアタシの姉妹愛もあっての行動なんだけど……
「マインちゃん、オシオキされたいんだぁ……アハハッ……ならお望み通りに……オシオキ、してあげるよ」
「え、ちょ……あっ、そこは……っ! ってふざけるのやめるからそれだけはやめてお兄さん! 魚の部分はよわ……あっ、撫でるのはやめてぇ……」
この後ついかっとなってやりすぎた結果、今度は僕がミラさんに締め付けられてしまった。
みんなもやりすぎには気をつけようね! 三途の川を渡りかけた僕との約束だよ?
イズモ「今日紹介するのは人魚ですね
人魚といっても半魚人の類は管轄外ですけどね。
説明不要ですけど、下半身が魚になっている人の事を言いますね。ちなみに女性はマーメイド、男性はマーマンと呼びます
ちなみに人魚と一言で言っても近縁種としてローレライやセイレーンにメロウ、ややマイナーですけどハルフゥというのもいますね
ちなみに日本の人魚は、だいたい室町時代以前までの伝説の物は」
マイン「伝説って?」
真理「ああ!」
イズモ「ダブル妹は静かにしてて
少なくとも室町以前は所謂人魚ではなく人面魚だったみたいです。
それと、人魚に関するでんせ…話はいくつもあって、一番有名な話だと人魚の血肉を食べれば不老不死になるという話……
日本にもこういった話はありますよ。八百比丘尼という悲しい物語が……
人魚の血肉を食べれば不老不死になるのが世界共通の認識というのが、ちょっと面白いですよね
まあ、そんな根拠のない噂のせいで狩られる側としたらたまったものじゃないですけどね
ちなみに最近は精子かけてとねだる人魚が有名でしたね。漫画は終わってしまいましたけど」




