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人はょぅι゛ょと結婚するのか?

イズモ「なんでボクのターンに……第6回は『サキュバス』です。


夢魔か淫魔で微妙に差がありますけど、割と淫魔寄りのイメージみたいです。

あ、ちなみに枕元に牛乳を置いておけば、夜這いされないらしいですよ」

ミクヤ「イズモさん! いきなり弱点公表はあんまりですよ! 他に言うことは無かったのですか!」

イズモ「サキュバスの正体に関する事とか責任転嫁先に扱われていた事とか色々ありますけど……どうします?」

ミクヤ「……さて、続きをどうぞ。イズモさん」

イズモ「割と有名な話ですけど、サキュバスは女性しかいません。男性の場合はインキュバスになりますね

更に言えば、襲う標的の理想の相手の姿に化けるという能力もあったという文献もあるのですが……」

ミクヤ「?」

イズモ「きっと気のせいですね。

あ、それと……世界線の仕様上、七罪で色欲を担当していた《アスモデウス》さんとは関係ありません。」

 御伽話の女の子アリスのような格好をした女の子が、僕を膝枕しながら僕の顔を見ていた……

「……ねえねえおにぃちゃん、なにしてあそぶ? おとなのおいしゃさんごっこ? おとなのともだちごっこ? それとも……ゆーじょーごっこ?」

 此処は何処? 僕の名前は小杉遊斗。どこにでもいる普通の高校生! って普通じゃない! 普通なワケあるかい! どこの世界にモンスター娘と一緒に暮らしている普通の高校生がいるのさ!

 ……うん、マイクチェックワンツー、落ち着いた。昨日の夕方はエキドナさんと色々あったけど最終的に帰ってもらった。ここまでは大丈夫。覚えてる。

 確かその後、疲れが一気に来て眠っちゃった。

 うん、じゃあ夢だねこれは。

 …………夢にしてはなんだか見たことあるようなリアルな光景だけど、なんだか見たことあるような女の子が居るし突っ込み所満載どころかオーバーフローしちゃうくらい意味不明な事口走ってる子がいるしきっと夢なんだ。きっとそうだ、夢に決まっているよ。

「夢で終わらせませんっ!」

「デァッ! ……いきなりキック!?」

 女の子に夢中になっていた僕は横から忍び寄ってきていた女性に気付かず、起き上がったところに不意打ちキックを受けて部屋の隅まで転がっていってしまった。

「……改めまして、初めまして小杉ユートさん! わたくし魔界新聞所属の記者でサキュバスのミクヤと申します!」

 サキュバスらしいというかなんというか、布面積が少なめな服で更に胸もかなり大きいものだから、はっきりいってエロいというかなんというか…………言い方を悪くすれば痴女? それくらいに際どい格好の美少女だった。

「本日は御日柄も良く、」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! 何を始めるつもりなんですかあなた! というか魔界新聞! あの記事はアンタの仕業か!」

「へ? 何って……魔界新聞読者であるあなたなら分かると思うのですけど? ちゃんと朝刊にも書いておきましたけど、結婚式ですよ? クイーンサキュバス様の一族の習わしです」

「…………ゑ?」

「だから、こうしてユートさんを……いや、ユート様を次期クイーンたるアリス様の御元に拉致して連れてきたのは、アリス様との結婚式をする為なのですよ! あ、ちなみについ先ほど蹴ってしまった事については謝ります。すみませんでした」

「まあ、キックについては細かい事だし別に良いんだけどさぁ……なんで僕があの子と結婚することになってるの!? あの子とマトモに会話してなかったよ! そもそも」

「わたくし達のしきたりの性質上、やむを得ない事なのです!」

「わぁい、回答があまりにも適当過ぎて怒る気にもなれないや〜!」

 答えにすらなっていない回答だったが、そういうしきたりなら仕方がないだろう。

 うん、どうしようかこれ……まさか1日中に2人の女性……若すぎたり年上過ぎたりはしているのだが……から結婚しろと言われるなんて、予想外過ぎて何も考えたくなくなった。

 ……そうか、エキドナさんか……!

「ねえミクヤさん? 僕を誘拐してこの場所に連れてきたってことは、ちゃんと外に通じているんだよね? 逃げられるかはさておき」

「間違っても逃げようだなんて考えてはいけませんよ? わたくしにアリス様の溢れる悲しみを抑えることなど出来ませんからね……?」

 ミクヤさんの言葉を聞き流しながら、夜に口笛を吹いたら蛇が出るという迷信を信じて、口笛を……昔見たアニメのBGMを……吹いてみた。

「ユート様! 何をしているのですか! 飢えた狼のように貪欲なエキドナの餌食になっても知りませんよ! ……ああ、でもそしたらわたくしがアリス様を…………」

 何やらテンパり始めたミクヤさんを放置し、吹き続ける……

「おうた、うたえばいいの?」

「………………」

 物凄い罪悪感プレッシャーを感じて振り返ると、アリスちゃんが僕の服の裾を掴んでいた。

「…………」

「おにぃちゃん、アリスのあたまなでなでしてくれるの? ありがとぉ」


 …………ダメだ。こんなこと……

「おにぃちゃん、アリス……も……にな……?」

 ここにいちゃだめ? ちがう。アリスちゃんがゆるしてくれる。じゃあなにがだめなの? うた? うたはもうやめた。それがだめなの?

 分から無い。何がいいことでなにが悪いことなのか……

「おにぃちゃん……わすれちゃだめだよ? アリスとのやくそく」

 アリスちゃんの声が聞こえた直後、僕の意識はぷつりと……テレビの電源が切れるように……無くなった。



「アリス様? ……どうなされたのですか? ユート様に何か呟いておられたようですが……」

「おにぃちゃん……おへやにかえしてあげて」

「……ですが」

「今はまだ良いから。おにぃちゃん、まだアリスといっしょになることをしぶっている? みたいだし」

「渋るとは……」

「じぶんのことだけど?」

「…………なるほど……アリス様、いずれユート様をインキュバスの王として立てるおつもりなのであれば、わたくしが」

「おにぃちゃんはアリスのもの。だから……ミクヤがもっていっちゃダメっ!」


イズモ「第7回は魔女……ってただの(?)人じゃないですか!」

先輩「ただの人ちゃうわ! アタシは魔女や! 人間をやめた魔女や!」

イズモ「……先輩に解説を頼んでも良いですか?」

先輩「任しとき!

魔女っちゅうんはな、中世時代に流行った悪しき風潮、魔女狩りを行う為にでっち上げられた架空の存在なんや!」

イズモ「そんな説明でいいんですか!?」

先輩「ちゅーか、イズモはんらの世界には本来魔女は居らんのや。教会やらが私腹を肥やす為にでっち上げた例が大半なワケや。」

イズモ「……恐いですね」

先輩「やろ~? しかも何が恐いって、男も容赦なく魔女扱い(もしくは悪魔と契約した)扱いにされて捕まえられて、拷問で死ぬか嘘の事を自供させられて焼かれて死ぬかしか無かったわけや。

まあ、青髭のおっさんとか、自業自得な例もあるっちゃあるんやけどな」

イズモ「…………」

先輩「まあ、気いつけなさいな? イズモはん?」

イズモ「ハハハ……(凄く……シャレになってないです)」

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