竜と神と竜
無能会長(兼魔王代理)とイズモ君に関しましては……出番あまり多くはなさそうです(特に無能会長)
「おう、久しぶり」
「お久しぶりですね、ガイギンガさん……あ、生徒会長さん、と呼んだ方が良いですか?」
神河イズモ……神河真理の兄が生徒会長のギンことガイギンガに会いに来た……
あくまでもついでに会いに来たらしい……
ちなみにわたしことドラグリアは神河真理に頼まれて生徒会室に案内させられた。あくまでも仕方無くだ。
とはいえ、妹とは違って凄く礼儀の良いイズモだったから……いや、なんでもない。
「ギン、いくつか質問したい事があるのだがな……」
「おう、なんだ? こいつとの仲についてか?」
「……まあ、そのような事だ」
どうやってギンと出会ったのか等聞きたいことは山ほどあった。
「5年近く前に起こった人間達の侵略と、侵略者が置き土産に一瞬だけ発生した時空の裂け目……って言ったら大体分かるよな? 優秀なドラグなら」
「最初の来訪者だったというわけか……この少年が」
「ま、最近じゃあアレの余波的な時空の裂け目も少なくなってきて、森の方に安定した《ゲート》が出てくるぐらいには昔の出来事だけどな」
「もう5年も経つんですか……色々有りましたよ、本当……ボクの世界でですけど…………アハハ」
神河イズモが昔を懐かしんで……いや、むしろ嫌な事を思い出してしまったのか……?
なにやら乾いた笑い声をあげた
「んで、何の用があったんだっけ? 2つ3つあるらしいじゃねぇか」
「あ、はい。1つは真理ちゃんの様子ですけど……まだ問題児といった感じですよね」
「少し間を置いて会った兄がそういう事言うならまだ問題児だろうよ……ま、こっちに来るほどデカい事件が最近減ってるといえば減ってるけどな……狡猾になったか、事件起こす規模が小さくなったかは知らねえけどな」
言われてみれば確かにそうだ……
最近……おそらく、ユートが来てからになるだろうが……真理が事件を起こす件数はわずかにだが減少していて、かつ真理が起こした事件も全体的に見ればかなり規模は小さくなっていた。
ユートが被害を一身に受けて……いや、ユートが真理の遊び相手になっているから真理が事件を起こさなくなった、そんな事が考えられる。
要因はともあれ、これはかなり良い兆候だろう……学園一の問題児である真理が大人しくなれば、学園はかなり平和になる……
ユートにはまだまだ頑張ってもらおう。
「ぶぇくしゅっ! …………で、ふたつ目は?」
「……ギン、貴様の髪が反射された炎でこげているぞ?」
反射された炎といったが……くしゃみをした拍子に口から漏れた炎が、神河イズモを焦がす瞬間に、進路を翻してガイギンガに飛んでいった……
魔法……とりわけ、防御魔法に関する専門的な事は分からないが、反射の魔法か何かを使ったのだろう。
「ふたつ目は、学園の代表者代理である生徒会長のあなたに、何人かの留学を許可してもらいたいんです」
「ああ、何人でも構わねえよ…………欲を言えば男子が来い。正直男子の孤立感が半端じゃなくて寂しい」
「ポロリと本音を漏らすな、愚図」
「それと3つ目に………………こちらの世界のある国からの防衛について」
「…………」
「っ!?」
こいつ……! 神河イズモ……今なんと……!?
「ガイギンガさんには前回言った、こちらの世界への侵略行為の話……詳しい情報が掴めました」
シリアスな空気が次に訪れるのは結構先にします。黒和久名はちょっと寝かせておきます