人は『年(度)末の為、ネタバレ防止にタイトル伏せます』
「危なかった……」
ミラさんの尻尾で掴まれ、落とし穴の真上で吊されながら呟く……
「落ちなくて良かったわね、小杉ユート」
ダアトちゃんが、大分悲惨な目に遭っている真理ちゃんの背中を指差しながら言った。
暗に真理ちゃんよりマシと言っているのかも知れないけど、真理ちゃんのはこの上無いくらいに悲惨な状態だから、直視出来なかった。
と、ミラさんとダアトちゃんにアリスちゃんが僕を引き上げている最中にも、残る2人はトラップを強引に解除すべく進んでいたのだが……
「……マリ、占神リメンバ様からの御告げでは、一番安全なのは」
「なんか殺る気満々のトラップが増えてきた気がするんだけどさぁ……どうしてみんなはボクを囮にするのかなぁ?」
真理ちゃんが、針鼠か剣山かと思うほどに罠のナイフや針や矢等が突き刺さっている背中を見せながらツッコむ……
……まあ、黒いライダーばりのチートな真理ちゃん以外だと死んじゃうから仕方が無いけど……やりすぎだね
「これは……まあ……リメンバ様が悪いのですわ。今度はイアリが直々に占ってみますわ……8―64―82―65……ハニー、そこから5歩前へ……そして4歩左、また2歩前ですわ」
大丈夫なのかと思いながら、前へ5歩、そこから4歩左に行き、再び前へと進んだ
「イアリちゃん、次は……?」
3歩目を進んだ途端沈み込むような感覚と同時に……気付けば床が無くなっていた。
「…………あっ」
「ユート!」
「ハニー!」
「遊斗!?」
……まあ、間違えたらこうなるよね……反省反省。次の僕はうまくやってくれるでしょう。ZAPZAPZAP。
着地……というか、落ちてくる僕の体を受け止めたのは巨大な蜘蛛の糸だった。
……あれ、なんだかデジャビュ?
「……大丈夫? ユート」
「あ、久しぶり」
蜘蛛の巣の主はいつぞやのアラクネさん……もとい、仮面スパイダーザウラスだった。
「……なるほど……コボルトが掘った穴は吸血鬼の館の落とし穴に……」
僕を粘着質の糸移動し易い場所に動かしながら、アラ……ザウラスさんが僕からの情報を纏めていた。
「ところで……一ついいかな? どこのコボルトが掘った穴なの?」
「魔界南部を根城とする、蒼金晶探掘団……そこのリーダーの雌い……シュナって雌犬と知り合いだから」
「……そうなんだ」
何を言い掛けたかは気にしないでおこう。その後にハッキリバッチリ言っちゃったけど。
「ところでさ、ここから逃げ出すにはどうすればいいかな?」
「え……? 逃げるの?」
愕然とした様子で、ザウラスさんが呟いた。
「もう何も心配する必要はないの……私が守ってあげる……ずっとこの場所で……ずうっと、ずうっと……」
直後、ザウラスさんの頭めがけて玩具のハンマーが落ちてきた。
「……ちぇっ……助けが来ちゃったみたい」
「助け?」
ザウラスさんに言われて上を見ると、命綱を付けた真理ちゃんが落ちてきた。
「うわぁぁぁぁ〜!」
比喩表現などではなく、命綱は飾りだと言わんばかりに蜘蛛の巣めがけて落下してきた。
「あぅっ……あうぅん……」
……真理ちゃんが力尽きるような声を上げたけど、チラリとこちらを見ているので問題ないだろう。ザウラスさんは真理ちゃんが落ちないようにと、巣の真ん中に置いたけど。
「最後の希望も潰えたみたいだね」
「……そうすると……更に少し下の道から吸血鬼ボッシュート口に回り込むしか……」
「ユートユート、仮にもれでぃに対してこの扱いは酷くないかなぁ?」
「れでぃはさっきみたいに、ゾンビに殺されたエージェントみたいな声をあげたりしないからね?」
というか何故紐無しバンジーなんてやっちゃったの……




