人は拾った丸太で進撃出来るか?side変態(ユウ)
ドラグ「ミロン、丸太は持ったぞ」
変態「ちょちょちょちょ! なんでボク縛り付けられてるのぉぉぉぉ!」
ダリア「変態行為ヲ省ミレバ当然ダナ」
「……ねぇドラグちゃん、その手に持っているのはなにかしら? というか、何をしているのかしら?」
ユートさんに対しては全力で痴女を演じているクセして、こういう時だけ常識人(人じゃなくてエキドナだけど)ぶるミロンさん……
……まあ、ミロンさんじゃなくてもツッコむけどねこれは! というかダリアさんはなんでツッコまないの!? あとアダカさんはなんで説得されちゃったの〜! 人間を先に括り付けた丸太を武器にするなんておかしいよね! ボクは変態だけど、ツッコミもそれなりに出来るんだよ! なら見せて挙げようか! ボクの本気を!
「ドラグリアさん! まさかボクを丸太に括り付けたままでムサい男吸血鬼の集団に放り込むつもりじゃないよね!? そんなのイヤだよボクは! 吸血鬼の根城に来た以上はドゥェドゥェドゥエドゥェと進んでいって超絶可愛い吸血鬼の子に座れるまで、ボクは血の一滴も流したくないんだけど!?」
「まずそこにツッコむのは変態君らしいわね」
「……変態ダナ」
「エロめ……」
「ユウ、それはダメなの?」
誉め言葉×3はさておき、アダカさんの口から信じられない疑問符が飛び出したから、ちょっとツッコんでおこう。
「あのねアダカさん、確かにボクはある程度の攻撃を……精々斧攻撃とか、金的ぐらいまでだけど……痛みから快感には変換出来るけど、あくまでもそれは攻撃の中に愛があるから」
「私の攻撃に愛があると思っているのか? エロめ」
「愛ナド無イノダガ……」
2人が照れ隠しで呟いているけど、キニシナイ。
「だから、丸太に括り付けられるのまではともかく、どこの馬の骨かも分からないムサいおっさんにぶつけられるなんて真っ平御免なんDA☆」
「それじゃあ変態君、囮なんてどうかしら?」
「それなら……愛は有りますか?」
「………………ええ(、アダカちゃんからの愛だけね)」
「その沈黙が気になりますけど、信じていますからねっ!」
「ドラグリア、新シイ丸太ダ」
「ありがとう」
「……あれぇ〜?」
気付いたらエキドナさんからドラグリアさんの丸太にポジションチェンジしていたんだけど、どういう事だろうねこれは?
「先陣を切らせてもらうぞ!」
「怪我しないようにしなさい?」
「え……? …………この武器に愛はありますかぁぁぁぁぁぁ!?」
ドラグリアさんの剛腕によって、丁度僕の裏側……僕の背中から180°くらいズレた場所に、農民吸血鬼2人がジャストミートした気がした……
……まあ、こんな囮なら……悪くないかな? 弱いボクでもそれなりに役に立てるんだし
「く……っ、丸太で受ける!」
…………えっ?
「……あのねドラグリアさん、結果的に大丈夫だったとはいえボクの縛られてる丸太で吸血鬼をガードするってどういうことかな? これは後で体のシャッフルしないと」
「変態、もう一度やってみたいか?」
「すみませんでした」
…………あれ、そもそも悪いのは誰だったっけ……?