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人は拾った丸太で進撃出来るか?side遊斗

コンコルド「みんな丸太は持ったな!?」

生徒会長「おうよ!」

ユート「何なのこのノリ……」

 吸血鬼の館に近付いた僕達は、エキドナさんの指示で西南北3つある門のうち、南北それぞれ二手に別れて侵入することになった……

 ……何故か、エキドナさんの指示で丸太を持たされて。

 ……何で? 丸太、なんで? 吸血鬼と戦うのに丸太を使えばいいの? 無理だよ。屋敷の近くでさっきエキドナさんが一蹴した吸血鬼でさえあと半秒遅れてたら僕が吸血されていたかもしれないほど素早かったから。

 丸太を振り回せるような間合いに迫られたら確実にお陀仏だろうし。

 ……まあ、それにこちらのパーティーメンバー……僕にラミアさん、アリスちゃん真理ちゃんイアリちゃんダアトちゃんの6人だ。ちなみにエキドナさんは色々あって変態ユウ君の保護者役になった……からして使う未来が見えないのだが。

「門番はモブっぽい農民が2人か……真理ちゃん、ミラさ」

「……4人揃って既に行っているわよ」

 ……ダアトちゃんと一緒に頭を抱えた。

 いくらエキドナさんが隠密に、などと忠告するどころか全力でぶっ壊せと煽ったとはいえ、いくらなんでもこの惨状は……

 というか、僕しか丸太を持っていないのはどういうことなのだ。戦闘力の高いミラさん真理ちゃんは分かるとして、他三人……は、きっと持てなかったのだろう。きっとそうだ。

 そう自分を納得させ、丸太を手に4人の後を追った……

「……小杉ユート、その丸太は本当に必要な物なのかしら?」

「……ですよねー」

 これも全部エキドナさんの仕業なのだ。だから後でエキドナさんに文句を言うとしよう。


「これはひどい!」

 なんということをしてくれたのでしょう。たった1分間、4人の匠の仕業によって館の門前がご覧の有り様。

 来る人を拒み続けてきたのであろう、堅牢な鉄門は、今は見るも無惨な鉄クズの山へとメタモルフォーゼし、山の麓を彩る錆のような臭いがする赤い液体が吐き気を煽る大惨事。

 ついでと言わんばかりに崩され、山のてっぺんに散らされた元塀の瓦礫がバイオレンスな鉄クズ山を悪い感じに彩る。

 ……全て壊すんだと言わんばかりの大惨事だが、余計に吸血鬼の反感を煽るのではないだろうか、これ?

「……破壊者としては三流ね」

「これが三流って、一流はどうなるの……?」

 これ以上の暴虐的な破壊など、想像したくもなかった。


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