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あっちむいてほい

サッカー何も知らないんで友達から聞くことがあります。

あれ?なんかこの小説の主旨忘れてる気が・・・

俺がサッカーを辞めた時、仲間の誰もがその理由を聞かなかったのが唯一の救いだった。

もう二度とサッカーはしない。

俺の足は壊れたんだ。努力したって無駄だ!

そう自分に自己暗示をかけて言い聞かせた。

足の骨折は治り、歩けるようになり、走れるようにもなった。ただ、長時間の運動は足の故障に繋がるから結局サッカーは出来なかった。


わかってる。

仕方ないんだ。

しょうがないんだ。

でも、一回でも良い。あと一回

試合がしたい。

そんな叶わない夢を願いながら俺はいつものように朝食を食べ、玄関を開けて、学校に向かった。




 

「「ジャーンケーン・・・」」

「「ぽい!」」

「あっちむいてーほい!」

「ぐはぁぁぁぁぁぁ!!」

学校に着き、教室のドアを静かにあけると修二と花があっちむいてほいをしていて修二がジャンケンに負けて花から平手打ちを喰らい無理やり首を回転させるというヤバい場面に出くわした。

「おはよう形原!」

元気よく花が笑顔で挨拶する。

「あ、あぁ。」

俺は顔を引きつらせながら無理やり笑顔をし、挨拶仕返した。

鼻血を出して机に突っ伏している修二に近づき、小声で質問した。

「大丈夫か修二?」

修二は目を見開き、血を滝のようにダラダラこぼしながら

「らいしょうふしゃなひぃ~(大丈夫じゃない)」

と何とか答えた。

すると花は満足げに笑いスタスタと去った。

俺は一汗をかき、修二にもう一つ質問する。

「なんかしたのか?修二」

なにもしてねぇよぉ~と泣きながら答えたのをわかったわかったと流し続けてなんとか事情を聞く。

「朝、教室に花以外誰も居なかったから花を俺の席に呼んで、一言教えたんだよ『花、人間の体の成長期はほぼ中学生で終わる』と」

胸か。

「すると花は急にニコッと笑い『ねぇ?あっちむいてほいやろ?』って言ったからあぁ、覚悟が出来たんだなと心から喜んでたら今さっき殴られて(泣)」

これほどの余計なお世話は他にあるだろうか?

修二は鼻を押さえて鼻血を止めながら保健室へと走って行った。

それを見送り俺は自分の席に座り机の中から置き勉しといた(良い子の皆は真似しちゃだめだよ?)教科書を一時間目の分だけ取り出そうとしたら、


サッカーの雑誌が入ってた。



とたんにフラッシュバックに似た感覚がきた。

車と車がぶつかり回転した車。歩道から聞こえる悲鳴。

ヌルヌルした赤い液体が折れた足を伝って流れる。

続いて酷い激痛が走りその折れた足が自分の物だと気づく

自分の口から断末魔の声が駆け上がる。

頭の中から言葉が聞こえる。


「再起不能です。」「おい!部屋に入れろ!俺だ!横田だよ!」「足は完全に壊れてます。」「可哀想にねぇ・・・」「もう走ることも困難でしょう」「大丈夫。これで人生終わりじゃないから」「なぁ!お前もうサッカーやんねぇのか?」「もう一度したら歩けなくなるかもしれません。」


「母さん。俺サッカー辞めるよ」



正気に戻ると体のあらゆる所から汗がドッと出ていた。

誰だ。こんなもの俺の机に入れたのは・・・・!

同じ学年で俺が元サッカー好きだったのを知ってるのは花と修二と

今のサッカー部のキャプテン、横田だ。

こんな事をしてくるのは横田(あいつ)しかいない。

それは横田が俺がサッカーを辞めた理由を知らないからだと思う。


アイツはもう一度俺にサッカーをやれってか?

何も知らないくせに・・・いや、俺が教えてないだけか。

俺は雑誌をぐしゃぐしゃに潰してゴミ箱に捨てた。









俺は花に殴られ血が噴出し、保健室に行って応急処置をした後、教室に戻って入ってみると形原が『俺が』形原の机に入れといたスポーツ雑誌をぐしゃぐしゃにしてゴミ箱に放り投げていた。

野郎。あれ高かったんだぞ。

スポーツ雑誌を見たら予想外の値段で雑誌をそぉっと棚に戻しときました。

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