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あれ、コレ楽勝じゃね?・・・スイマセン調子乗りました。

「はあああああああああああ!」


 俺は右手に装備した刀【霞桜(かすみさくら)】を上段から振り下ろし、<<キラーウルフ>>を両断した。そして、僅かに出来た隙を付くように飛びかかってきたもう一匹の<<キラーウルフ>>を、結衣が切り捨てる。


 ここは、【南の森】中央部だ。<<神崎結衣>>をPTに入れることが出来るようになった俺は、早速彼女をPTに誘った。そして、分かったことが幾つかある。


・NPCキャラクターでPTに誘うことが出来るようになるのは、結衣の他にも何人か存在するということ。ただ、どのNPCを仲間に出来るのかは彼女にも分からないらしい。まあ、当たり前だわな。それらのNPCは、特殊な条件をクリアすることでPTに誘うことが出来るようになるらしい。


・NPCキャラクターは、一人につき、一日に一時間しかPTに誘えないということ。それを過ぎると、その瞬間元いた場所に転送されるらしい。


・彼らも、死ぬとゲームから消え去るということ。これは重要な情報だった。もしそのキャラが重要なクエストのキーだったりしたら大変なことになる。何となくNPCは死んでも復活すると思っていたのだが、そうではないようだ。


・彼らには経験値が入らない事。これもまた重要な情報だった。多くのMMORPGでは、PTを組む際のデメリットとは、経験値配分とアイテムドロップ位しか存在しないからだ。つまり、戦力が一人増えているのに、経験値的には自分一人で倒しているのと変わらない。アイテムはNPCにもドロップするようだが、これは仕方がないだろう。


 そこまで教えてもらってから、今度は手に入れた称号【神崎神刀流門下生】について訪ねてみた。それによると、次のようなことがわかった。


・【神崎神刀流門下生】を装備して戦闘をした時間によって、スキルを覚えていく。つまり、普段はこの称号を装備して戦い、レベルアップ直前で【PKK】に装備を変更すれば、効率的に育てることが出来る。


・【神崎神刀流】スキルは、【刀】装備以外では発動することが出来ない。なので、俺はNPCショップから【霞桜】を購入したのだ。其のせいで所持金が殆ど無くなったので、防具はまだ買っていない。


 


 そして、先ずは【南の平原】で数度狩りをして、結衣の実力を確認した。・・・正直、とっても強かった。まあ、師範NPCなんだから当然だろうが、あの細い体の何処からあんなパワーが出てくるのだろうかと不思議に思ったほどだ。・・・まあ、ゲームだし。


 で、これなら【南の森】でも、彼女が居れば安全に狩りが出来ると判断し、二人で来た訳だ。


 そこで<<キラーウルフ>>の群れに発見され、今にいたると。




「やべえ、一寸調子乗ってたかな・・・。」


 確かに、結衣は強かった。今だって、十匹以上の<<キラーウルフ>>相手に全くダメージを受けることなく戦闘している。


 だが、所詮一人が強かろうと、数の前には大した問題はないのだ。敵は、あと二十匹はいるだろう。俺は結衣に守られながら、彼女のカバー出来ない範囲から襲ってくる<<キラーウルフ>>を相手にしていた。


「ガアアアアアアアアアーーーーーーー!」


 一匹が結衣の攻撃を切り抜けて襲ってきた。


「"霞楼(かすみろう)"!」


 瞬間、俺の体がブレる。


 "霞楼"は、【神崎神刀流】のスキルで、最初に覚えた技だった。効果は、自身の肉体を蜃気楼のようなものに変化し、一度だけ、どのような攻撃でも回避する、というものだ。強力なのだが、霊力の消費が激しいので、頻繁に使える技じゃ無い。


 敵は、俺の体をすり抜け、背後の大木に衝突した。キャウン!という鳴き声。俺は、【霞桜】を鞘に納刀する。


「"神風(かみかぜ)"!」


 右回りに回転しながら、目にも止まらぬ抜刀。これも【神崎神刀流】のスキル。”基本威力+敏捷×0.5”になるスキル。敏捷が高ければ高いほど威力が増すが、俺の敏捷はそこまで高くはないので、まあまあの威力だ。


 だが、弱った<<キラーウルフ>>を倒すのには十分だったようで、断末魔を上げながらキラキラと粉になって消滅する。


 俺はそれを確認してから、もう一度【霞楼】を発動。同時に背後に刀を振り抜く。


 飛びかかってきていた二体の内、一体は俺の体をすり抜けたが、もう一体は左腕に食いついてきた。


「が、ぐううううううううう!」


 HPがグングン減っていき、一撃で4割も減らされてしまった。。俺と<<キラーウルフ>>はレベルが離れているのだから当然だろう。いや、今の戦闘でかなりレベルアップはしているのだが、このゲームの仕様上、SPをステータスに振らなければ戦闘力は変わらないのだ。余りにも頻繁にレベルアップして五月蝿いので、レベルアップ音は切っておいた。


 っていうか痛い。滅茶苦茶痛い。まともに攻撃を食らうのはこれが初めてなのだが、一瞬意識が飛びそうになった。感覚フィードバックが、現実のそれに限りなく近いのだろう。だが、ここで動きを止めたら死ぬ。死ぬのは嫌だ!


「く、そ。糞犬があああああ!」


 俺はまだ腕に食いついている敵に、蹴りを入れる。俺は【格闘術】スキルも育てているので、かなりのダメージが入った。悲鳴を上げながら離れたその敵を、結衣が一撃で切り捨てる。


「大丈夫!?」


「平気さこれぐらい!」


 俺はショートカットに登録しているライフポーションを呼び出した。蓋の無い試験官に入った赤いドロドロとした液体を、一気に飲み干す。


 見た目に反して柑橘系の果物のようなさっぱりとした味わいを口の中に残しつつ、ライフポーションは俺のHPを最大まで回復した。


「さ、あと少し、頑張りますか!」


 斬って、殴って、蹴って、時には頭突きを使用しながら【キラーウルフ】の数を減らしていく。戦闘は、その後十分も続いた。

モンスターや人の名前、技、称号やアイテムを全て【】で括っちゃってますけど、見づらいので後で修正します。

具体的には、モンスターや人間は<<>>,技は””、で、称号やアイテムを【】で括ろうと思います。

これはこうしたほうがもっと読みやすくなるよ~など、アドバイス等ありましたらコメントよろしくお願いします。


勿論、感想を書いてくれてもいいのよ?(チラ

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