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その突き容赦無しにつき・・・

 北区は、現代の世界と何ら変わりの無いものだった。いや、変わっている部分はあるのだが。各国の建物が乱立しているのだ。いくら現代と言っても、こんなカオスな空間は見たことが無く、俺は呆然としてしまった。


 今でも田舎に行けば見ることの出来る昔ながらの日本家屋、フランスのエッフェル塔、中国の建築物etc・・・何だこれはと言いたくなるようなカオス空間だった。


 だが、確かに世界中から犯罪者を集めてるんだし、宿とかも自分の使い慣れた方式がいいだろう。これはこれで、プレイヤーの事を考えて作ってある・・・のかもしれない。


「と、兎に角、先ずは道場だ。」


 【見切り】スキルは、ここから少し行ったところにある【神崎道場】という場所で取得出来るらしい。先ずは言って見よう。




 【神崎道場】は、数分歩いた場所に存在した。見たまんま、日本の道場だった。俺は、門を開けて中へと踏み込む。


「すいませーん、誰かいませんかー?」


「はーい。」


 現れたのは、一人の女性だった。


 20歳くらいだろう。長い黒髪を後ろで結ってポニーのようにしている。名前は、NPC<<神崎結衣>>と書かれていた。


 先程のリーボルツの件もあるから、もう驚かん。この子が【見切り】を教えてくれる師範NPCなんだろう。


「すみません、【見切り】を教えて欲しいのですが。」


「ああ、弟子入り希望の方でしたか。しかし、驚かないんですね。私、よく若い女なのに師範って驚いたり、実力を疑われたりするんですよ。」


「いえ、実力に年齢や性別は関係ありませんよ。」


 まあ、リーボルツに会っていなかったら、俺も同じことを思っていただろうけどな。これは、ゲームだ。ゲームでは、普段考えられないことが頻繁に起こるものだ。筋肉があるように見えないプレイヤーでも、そいつが筋力パラメーターを重点的に上げていれば、岩をも砕く力を持っていることだって有り得るんだから。


「そうですか、そう言ってもらえると嬉しいですね。それでは、始めましょうか。」


 ポーンと最早お馴染みの音が聞こえる。メニューを開くと、




___________________________________________________________________________________


『クエスト【地獄100本突き】が発生しました。』


・クエスト条件:剣術師範NPC<<神崎結衣>>に弟子入りする


・クエスト内容:突きを100回以上回避


・期限:1時間


・クエスト報酬:スキル【見切り】の習得


『クエストを受理しますか?YES/NO』

___________________________________________________________________________________




 何だ・・・?突きの100回回避・・・?しかも、期限が一時間って嫌な予感しかしないんだが・・・。


 と、取り敢えず、YESっと。


「わかりました。それでは、避けてくださいね。」


 は?と聞く前に、ズドンっと恐ろしい音がして、気がついたら俺は地面に転がっていた。


「・・・は?」


「駄目ですよ何時如何なる時も気を抜いちゃ。1回目で失敗してちゃ、100回なんて夢のまた夢なんですから。ここはタウンですから、痛みも感じませんし、ダメージが入る事もありません。安心して下さいね。」


 確かに、痛みは無い。なら・・・


「挑戦あるのみ!」


 俺は立ち上がり、彼女と向き合う。


「そうそう、その調子ですよ。後57分しかありませんからね。」


 と笑った瞬間、ズカンとまた音が。また俺は地面に転がっているのだった。え、これマジ・・・?




 それから、何回吹き飛ばされたか覚えていない。確かに痛みは感じない。感じないが・・・正直、怖い。恐怖で体が震えてくる。例えば、寸止めされると分かっていても、顔に拳を振るわれると目を瞑るだろ?アレと同じだよ。


 だが、残っている時間は、5分も無い。ここにきて、ようやく慣れてきた、というか、未だに微かにしか見えない攻撃を避けるコツが分かってきた。


 VRMMOは、例えNPCやモンスター、自然現象といえども、現実とほぼ同じように作られている。喉を締めれば窒息して死ぬし、泥濘(ぬかるみ)に足を取られれば転んだり、攻撃に力が入らなくなったりする。だから、今も同じだ。


 結衣の瞳をジッと見つめる。その澄んだ瞳が俺の左脇腹辺りに向けられる。


「ふっ・・・!」


 右に一歩ずれる。間一髪で反応が間に合い避ける事が出来た。しかし、油断は出来ない。結衣の瞳がギラリと光った気がした。狙いは、額か!


 思い切り仰け反り、その一撃を避ける。だが、無茶な姿勢から回避したせいか、バランスを崩し倒れてしまった。


「やべ・・・!」


 容赦なく俺の腹部を狙ってきた一撃を転がって避ける。そして・・・


「100回、達成です。頑張りましたね。」


 という声を聞いて、安堵のあまり起こしかけていた体から力を抜き、また地面に倒れ込む。


 『スキル【見切り】を習得しました』


「おめでとうございます。これで、あなたは【見切り】を習得しました。」


「やっと、か・・・。」


「しかし、筋がいいですね。ここまで出来た人は貴方が初めてですよ。どうです?このまま、門下生になりませんか?」


 ポーンと音がする。え、上位クエスト発生か?




___________________________________________________________________________________


『流派入門クエストが発生しました』


・クエスト条件:神崎結衣の突きを100回連続で回避する


・クエスト内容:【神崎神刀流】に入門


・期限:無し


・クエスト報酬:称号【神崎神刀流門下生】取得。剣術師範NPC<<神崎結衣>>をPTに入れる事が可能になる。


『クエストを受理しますか?YES/NO』

___________________________________________________________________________________




 ま、マジかよ・・・このゲーム、NPCとPT組めるのか!?周りは信用出来ないプレイヤーばかりで、正直ソロプレイしか出来ないと思ってたけど、これは・・・光が見えてきたかもしれん。更に称号も手に入るなんて、受けない訳がないだろう!


 迷うことなくYESを押す。


『称号【神崎神刀流門下生】を取得しました。更に、剣術師範NPC<<神崎結衣>>とPTを組む事が出来るようになりました』


「それでは、これからよろしくお願いします。」


「こ、こちらこそ。よろしく。」


 俺たちは、握手を交わしたのだった。




___________________________________________________________________________________


称号【神崎神刀流門下生】

取得条件:【神崎神刀流】に入門する

称号効果:【神崎神刀流】各種スキルの入手が可能。更に、筋力、敏捷が2ポイント上昇


下にアイテムやら称号とかの情報を書くときって、どういう風に区切ったほうがいいですかね?今回みたいにしたほうがいいですか?

どういう風にすると見やすいよとか、そういう意見があったらコメントに書いてくれると嬉しいなー(チラ

感想もまってますよ(´∀`*)

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