気まずいんです
カチ・・・カチ・・・カチ・・・と時計の針の音だけが響く食堂。・・・一体、何故?どうしてこんな空気なんでしょうか?
いえ、原因は分かっているんです。それは、何時も何時でもくっついて離れようとしないバカップルである、銀狐さんと麗奈さんが離れて座っているからだということは。・・・何ですかこれ?昨日までは普通に仲が良すぎて暑苦しい程だった癖に、どうしてこんな空気になっているんでしょう?
(れ、レオン君。どうしてかわかりませんか?)
個人チャットを使用し、レオン君に尋ねる。何という無駄な使い方なんだろう?でも、今使わないで何時使うというのだろうか?
(わかりませんよ。僕が食堂に来たときには既にこの空気だったんですから・・・)
ということは、私達がいない間に喧嘩でもしたんでしょうか?・・・しかし、この二人が、喧嘩くらいでこんな空気になるでしょうか?今までも何度か小さな痴話喧嘩をしているのを見ましたが、いずれも数十分でスピード解決していたはずです。・・・主に銀狐さんの敗北という形で。
なのに、この空気は一向に晴れる気配がありません。どうやら、お互いにどうやって声をかけていいのか分からないという感じです。チラチラとお互いを盗み見ては視線をそらすという事をさっきから繰り返していて・・・・・・非常にウザイですね(#゜Д゜)
なので、ちょっと行動することにしましょう。
(ちょっと結衣さん!?何する気!?)
私が立ち上がったのを見て、レオン君が慌てます。
(こういうのは当人達のデリケートな問題が多いから、そっとしておいたほうがいいと思うんだけど・・・)
(甘い、甘いですよレオン君。砂糖菓子より甘いです。この二人はこのくらいやらないと駄目なんです。お互いの事を大事にしすぎて、逆におたがいの事をわからなくなってしまう人たちなんですから)
一方的にチャットを終了して、麗奈さんに近づく。その時初めて私が近くに来ているのに気づいたらしく、慌てて私の事を見た。
「あ・・・結衣さん。何?どうかした?」
私は、その顔を見て、重症だと感じました。女の勘ってやつです。だから・・・
「あ、ちょっと、何!?」
無言で麗奈さんの手を取り、食堂から連れ出します。その時、レオン君に「銀狐さんの事よろしくね」とメッセージを送るのも忘れない。レオン君の溜息が聞こえた気がしましたが、気のせいでしょう。
取り敢えず、話を聞くとしましょうか。
活動報告には書いたんですけど、ここでも話しますね。
私の仕事の上司が変わりまして、それに伴うゴタゴタのせいで執筆する時間があまり取れていません。
少しの間、今までより更新が遅れると思います。
今回も短いですが、ご了承ください。