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誠意を見せればいいこともあるかも・・・

 翌朝、俺は寝不足の体を無理やり動かして【シュバルツ】へ来ていた。


 あの放送のせいで眠れないかとも思っていたのだが、やはり睡魔には勝てなかったようだ。それでも、3時間程しか眠れていないが、贅沢は言わないでおこう。


 今日【シュバルツ】へ来たのは、【隠密】【索敵】【見切り】スキルを入手すると共に、【自然治癒】スキルの情報も手に入れておきたいからだった。それと、新しい装備も見て回りたい。


 やはり、本格的に攻略に乗り出すのならば、それなりの装備を持っていないと。それに、VRMMOでは、システムがいくらか体の動きをサポートしてくれるとはいえ、基本的に動くのは人間だ。だから、自分に合った、使いやすい装備を選ぶことはとても重要なのだ。


 先ずは、西区へ行って、【隠密】【索敵】スキルを取得しに行こう。




 西区は、中央区、つまり広場と同じく、中世の建物が並んでいた。そこに居るNPCも、騎士の甲冑や、魔術師のローブ、ぼろ布を纏った者と、様々だ。更に、種族も【人間】【エルフ】【獣人】など、ファンタジーの定番、王道な種族ばかり。


 しかし、人間、つまりプレイヤーは違う。既に、かなりの数のプレイヤーが装備を支給品から変更しているようだ。中世の盗賊風な男に、獣の皮を巻きつけただけの女--多分、南区、古代の防具だろう--や、なんだあれ?ロボット?アレは東区の未来の防具なんだろうか。


 他にも、北区の現代の服を着ている人間もいる。俺も、早く自分に合った物を買わないとな。


 周りを観察しながら周囲のNPCから情報を集め、盗賊NPCの元にたどり着いたのは、西区に来てから2時間程経過した後だった。


「やっと見つけた・・・。」


「ほう。アンタ、俺を探していたのかい・・・?よく見つけられたな。」


「ああ。苦労したさ。」


 嘘じゃない。今いる場所は、西区の迷路のような路地裏を1時間以上もさまよった挙句、ようやくたどり着いた場所なのだから。更に、このNPC,【隠密】を使っていたようで、危なく気づかずに目の前を通り過ぎるところだった。


 【隠密】は、自身の色をカメレオンのように変化させるスキルらしい。よくある気配を薄くするという形態ではなく、景色の一部に溶け込むタイプのスキルなのだ。


 変に盛り上がっている場合などは発見される率が高くなる。今の場合は、盗賊NPCが壁に張り付いていたのを俺が見つけた。


「と、こういう風に、街中とかで使うと見つかりやすいスキルだから、あまり過信するんじゃねえぞ?まあ、俺の【隠密】を見破ったアンタになら、このスキル、教えてやっても構わないぜ?」


 ポーン、と音がしたので、メニューを開くと、そこには


『盗賊NPCからスキル【隠密】【索敵】を取得しますか?YES/NO』


 と書かれていた。成程、どうやら、NPCを発見することがスキル習得の条件になっていたらしい。ただ単に100G払うだけと思っていたのだが・・・。


 取り敢えず、YESボタンを押す。すると、盗賊NPCが手を出してきた。


「じゃ、その前に誠意を見せてくれないか?」


「わかった。」


 『金額を指定してください』という表示が現れた。これは・・・。


 試して見たいことがあったので、ヘルプに書いてあった100Gではなく、500Gと入力してみた。YESボタンを押す。


「へえ・・・。アンタわかってるじゃないか。前に来た二人なんか、100Gしか出してくれなかったのによ。気に入った。アンタにコレをやろう。」


 『盗賊NPCからスキル【隠密】【索敵】を習得しました。更に、装備アイテム【盗賊の指輪】【臆病兎のイヤリング】を受け取りました』


 マジかよ・・・相手が誠意を見せろって言ってきたことと、金額を指定するアイコンが出てきたから実験してみただけなのに、二つもアイテム手に入れちゃったぞ。取り敢えず、お礼を言っておくか。


「有難う。大切に使わせてもらうよ。」


「構わねえよ。それに、アンタとは長い付き合いになりそうだしな。」


 何?スキル二つを習得する為だけのNPCじゃないのか・・・?


「なあ、アンタ、【治癒の木の実】ってアイテム知ってるかい?」


 俺が首を横に振ると、NPCは更に言葉を続けた。


「その木の実はな、【南の森】に生息している、<<アマリリス>>ってモンスターが持ってるんだよ。そいつを倒すとその木の実をドロップするんだが、そいつを取ってきて貰えないか?勿論、報酬は出すぜ?」


 再び、ポーンという音がしたのでメニューを開く。そこには



___________________________________________________________________________________


『クエスト【アマリリスの木の実】が発生しました』


・クエスト条件:盗賊NPC<<ダゴン>>と親密になる


・クエスト内容:【南の森】のボスモンスター<<アマリリス>>の討伐、及び【治癒の木の実】の納品


・期限:無し


・クエスト報酬:レアスキル【自然治癒】の習得


『クエストを受理しますか?YES/NO』

___________________________________________________________________________________





 と書いてあった。


「マジかよ・・・。」


 本日二度目となる驚きに、俺の顔はいま(゜д゜)となっているだろう。


 元々リアルラックも低くて、今までゲームでもレアアイテムとか殆ど出たこと無かったのに、ここにきて運が向いてきてるのだろうか。と、決断が遅い俺に<<ダゴン>>が話しかけてきた。


「で、どうする?」


「あ、ああ。やらせてもらうよ。」


 俺は慌ててYESを押す。


『クエスト開始しました。クエスト名【アマリリスの木の実】。この情報はメニューのクエストで確認することが出来ます』


「わかった。特に期限とかは無いからな。手に入れた時に持ってくるといい。」


「わかった。じゃあな。」


 そう言って俺は元来た道を戻って行った。



___________________________________________________________________________________

 

・【盗賊の指輪】:RARE ITEM 【指輪】


装備効果:【隠密】の効果アップ。更に、【隠密】スキルレベルアップ時にスキル経験値ボーナス


・【臆病兎のイヤリング】:RARE ITEM 【イヤリング】


装備効果:【索敵】の効果アップ。更に、【索敵】スキルレベルアップ時にスキル経験値ボーナス


___________________________________________________________________________________



 これは、良い物を貰ってしまった。俺は、イソイソと2つを装備し、ホクホクした顔で次の目的地である北区へと向かって行った。







___________________________________________________________________________________

名前:月一銀狐

右手装備:【初心者の練習用木刀】

左手装備:

頭装備:

胴体装備:【初心者のブロンズプレイト】

腕装備:【初心者のブロンズガントレット】

腰装備:【初心者のブロンズタセット】

足装備:【初心者のブロンズグリーブ】


指輪1:【盗賊の指輪】

指輪2:

指輪3:

指輪4:

指輪5:

ネックレス1:

イヤリング:【臆病兎のイヤリング】

まあ、主人公補正ですよ。レアアイテムとか。まあ、いいよね?


でも、アイテムや人の名前を考えるのがやっぱり苦手です。これでも、かなり時間をかけて悩んだんですよ(´・ω・`)

何かいい名前や、アイテムのアイデアが浮かんだ方は、コメントくれると嬉しいです。

感想も待ってますよー(´∀`*)

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