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新たな挑戦者

「・・・何だよこれ・・・・・・。冗談じゃねぇのか・・・・・・?マジかよ。ヤバイ、これはヤバイぜ・・・。」


 もう、警備員以外は残っていない深夜の、【ブライト・アームズ】の社長室。そこに居たのは、社長である東条光一・・・では無かった。全体的に黒い服の怪しい男だ。顔すらもヘルメットで被っていて、両手には皮の手袋をしている。


 カタカタカタカタ・・・と、東条のパソコンを弄っている男は、しきりに「ヤバイ、ヤバイ」と呟いており、まだ春先で涼しい季節だというのに、顔どころか、体中に冷たい汗を流していた。


「ここまでヤバイ話だとは聞いてないぞ・・・。っていうか、コレは、本気なのか・・・・・・?あんな手の込んだ事をしておいて、やっているのがこんな夢物語だと・・・?」


 嫌、モニターに書いてある情報が、単なる妄想ではないことは、映し出されている詳細なデータ群を見れば分かる。男は専門家では無いために詳しい事は分からないが、それでも、この実験を行なっている人間たちが本気だということは理解出来ている。


「ヤバイ・・・これ以上此処にいるのはヤバイだろ・・・。」


 未だに、男の依頼主の欲しがっていた情報は見つかっていないが、彼の勘が、これ以上は危険だと叫んでいた。彼は、その勘に従って逃げる決意を固めたようだ。


「おっと、逃すと思うのかい?」


 ・・・既に、その判断は遅かったようだが。


「・・・・・・っ!」


 ギギギ・・・と音がしそうな動作で、男は壁を見つめた。・・・否、男の目の前に立つ集団を見つめた。


「ここまで来て、無事に帰れると思ったのかな?」


 そこは、先程までは間違いなく壁しか無かった。しかし、今、そこに完全武装した数十人の兵士と、この部屋の主である東条光一が立っていたのだ。


「・・・何時からそこに居たんだ・・・?」


「今来たところだよ。」


 男は、自分の見ているのもが信じられなかった。警報装置や監視装置の類はまっ先に無力化したし、この部屋に隠し部屋がないことも確認済みのはずだった。無論、彼の雇い主である、とある軍関係の会社の最高の品を使用し、超音波やら赤外線やら、その他多くの最先端機能を使用して、全て確認済みだったはずなのだ。


 そもそも、彼らの後ろにある壁の部分に、隠し部屋を作る余裕などあるはずが無い。その壁の反対側は、外、つまり空中なのだ。・・・ならば、どうやって地上150階のこの場所に立っているのか?


「どうやって此処に来た?」


「可笑しな事を聞くね。・・・君も、今見たんだろう?この会社の秘密を。アレを使えば楽勝じゃないか。」


 何でも無いように言う東条に、男は恐怖感を抱いた。


「・・・つまり、アレは全部本当だと・・・・・・?」


 男が尋ねると・・・


「そんなに知りたいのかい?なら・・・。」


 東条の浮かべた笑みに、男は、自分が最悪の選択をしたことを悟った。


「なら、君も行って見るといい。そうすれば、本当かどうか分かるよ。」


「・・・くっ!」


 犯罪者だけのデスゲームが始まってから一ヶ月。この世界に、新たな罪人が追加された。


 その日は、奇しくも、今現在このゲームの最強である天津京香と、最高である月一銀狐のギルド”希望”が始めて衝突した日でもあった。


 この日から、このゲームの世界は、更に加速することになるのだった。


現実の話だけ、三人称視点です。

この男は、まだ名前などは出てきていませんが、今後話に関わる予定。

一体、彼は何を知ってしまったのでしょう?そして、このゲームの目的とは一体?

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