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傀儡とのエンカウント

 さて、無事にギルドを作り、更に盗賊NPCダゴンにレアスキル【自然治癒】を貰った俺たちは、南の塔にやってきていた。俺たちのギルドに入りたいって人間が何人かやってきたが、全部断った。あいつら、麗奈や結衣をイヤラシイ目で見やがって・・・!刀を抜いて切りかかりそうになったが、我慢した。


「レオン、足止め宜しく!」


「分かりました!」


 南の塔1階で俺たちは【マシンナー・スパイダー】5躰と戦っていた。2メートル程の機械で出来た大蜘蛛が、ガチャガチャと音を立てながら向かってくる。


 レオンは手に持っていた大鎌を消して、1メートル程の先端に赤い宝玉が付いた杖を取り出す。


「”グラビティ・エリア”!」


 レオンが叫ぶと同時に、大蜘蛛共が上から何かに押さえつけられるように倒れた。


「麗奈!」


「分かってるって!”ファスト・リロード”【炸裂弾】!」


 その瞬間、麗奈は大蜘蛛へと走り、”ツイン・バースト”を発動させた。至近距離だと威力が上がる”ツイン・バースト”と、敵の内部で爆発する【炸裂弾】によって、一体の体力がゼロになった。


 本当は敵が動けない間に麗奈の【蒼龍】で一掃出来れば楽なんだが、このダンジョンは通路が狭い上に、脆い壁に攻撃すると、壁が崩れて進めなくなり、別の道を探さなければいけなかったりするのだ。【蒼龍】での攻撃だと威力も攻撃範囲も高すぎる為、今回は使用出来なかった。


「後は任せた!」


 ”ブースター”によって後方に離脱した麗奈と入れ替わるように、俺と結衣が走る。


「”グラビティ・エリア”消します!」


 というレオンの言葉と同時に、敵を押さえつけていた圧力が消えた。しかし、その瞬間には俺たちがすぐ近くまで来ていた。


「”神風”!」


「”兜割り”!」


 俺の攻撃によって敵は一撃で死んだ。俺のステータスは90レベル相当らしいからな。流石に耐え切れなかったか。結衣が攻撃した敵はまだ体力が残っているようだが、それは結衣に任せよう。俺は更に前に進み、もう一体に攻撃を仕掛ける。


「キシャアアアア!」


 敵が口を開いて糸を吐き出してきた。その糸は俺の体を捉えようとするが・・・


「甘い!」


 俺は焦ることなくその糸を回避する。敵が蜘蛛なんだから、糸を吐く攻撃をしてくるのは分かっていたことだしな。予め予測できていたんだから、後は圧倒的な敏捷値にモノを言わせて避けるだけだ。


 攻撃を回避した俺はその勢いを殺すことなく上段からの一撃を加える。そして、足を止めることなく敵の背後へ回り込んだ。そのまま体を回転させ敵の足を数本切り落とす。


「キシャアアアアアアア!」


 足を落とされた敵は此方を見ることも出来ずに、俺に刀を突き刺されて死んだ。見ると、残っていた一体は、麗奈とレオンが協力して倒したようだ。結衣も怪我しないで倒したようで、俺たちの完全勝利だった。






 ドロップを拾い終わった頃、俺の【索敵】スキルに敵が映り込んだ。


「敵が来るぞ!数は5躰!」


 その言葉に反応して、皆が戦闘態勢を取る。


 コツ、コツ、コツと足音が聴こえる。人型のモンスターなのか?


「銀狐さん、南の塔に人型モンスターはいません!」


 レオンの叫びに、俺は悪寒を感じて後ろに飛び退いた。すると、俺が先程まで居た場所に真っ赤な火球が落とされ、爆発する。


「ぐ・・・!」


 爆発の余波によって体力が少し削れるが、【自然治癒】によって回復した。そして、煙が晴れると、そこに立っていたのは・・・


「・・・・・・天津京香の傀儡、かよ・・・!」


 白目を向いて口を微妙に開いて涎を垂らす、四人の男が立っていた。俺たちは、PKを仕掛けられたのだった。


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