使って見たいので仲間を探しに・・・
『汝が、世界の開放者となる事を願う。その為ならば、我らはいくらでも力を貸そう』
【神衣の水干】と【神衣の緋袴】を装備した瞬間、何処からともなく声が響いた。
「え?・・・お前ら、何か言ったか?」
「私は何も。」
と首を傾げたのは麗奈。
「あ、聞いたんですね?何て言ってました?」
と納得顔の結衣。
「ああ、『汝が、世界の開放者となる事を願う。その為ならば、我らはいくらでも力を貸そう』って・・・。」
「そこまで期待されているんですか!?凄いですね・・・。」
何かを驚いているが、一体何なんだ?
「それは、神々のお言葉ですよ。神託とでも言えばいいでしょうか?大抵は、短い言葉を一言くらいしか貰えないらしいですが、貴方を余程気に入ったみたいですね。」
「へえ・・・。」
そういうイベントだったのか。
「ね、銀狐。その装備、どのくらい強いの?」
麗奈が目をキラキラさせながら尋ねてきた。そういえば、まだ見てないな。
「今確認する。」
_________________________________________________________________________________
・【神衣の水干Lv1】Legendly Item【胴体装備】
・装備者被ダメージ1割カット。体力上限少量アップ。装備者自動回復。破壊不可能。トレード不可能。装備することで【神衣】系スキル使用可能。
・装備者と共に何処までも高みに昇る神から与えられた装備。世界を開放するその時まで、戦いは終わらない・・・。
・【神衣の緋袴Lv1】legendly Item【腰装備】
・味方被ダメージ1割カット。霊力上限少量アップ。味方自動回復。破壊不可能。トレード不可能。装備することで【神衣】系スキル使用可能。
・装備者と共に何処までも高みに昇る神から与えられた装備。世界を開放するその時まで、戦いは終わらない・・・。
_________________________________________________________________________________
「・・・・・・いやいや、強すぎるだろう?」
防御力を見ても、今の装備の3倍はあるぞ。
「壊れてるね・・・・・・。」
正直、このゲームを設定したやつはパワーバランスとか考えていないと思う。伝説のダンジョンの奥深くにあるアイテムならまだしも、転職クエストで貰えるような性能のアイテムじゃないぞ・・・。普通にネトゲとして出してたらクソゲー確定だったな。
「おまけに、このレベルって何だよ?」
「この系統の装備は、装備者のレベルがある程度上昇すると装備の性能が上がるんですよ。それと、新しいスキルを発現させたり。」
「新しいスキルまで出てくるの?正直、これさえあれば他の装備必要ないわね。」
「そうだな・・・。」
・・・うん?今爆弾発言があったような・・・。
「結衣、この系統の装備って、他にもあるのか?」
「そりゃありますよ。まあ、大抵はドラゴンの洞窟にあったり、伝説の泉に刺さってたりしてて、手に入れるのが大変ですけどね。」
「成程・・・。」
「まあ、ぶっ壊れ装備も有るわよね。問題は、これがそんなに簡単に手に入るってことだし。」
「まあ、それは一つしかありませんから、もう他の人が手に入れるのは不可能ですけどね。」
「やっぱりか。」
まあ、伝説級防具だしな。
「使ってみたい。」
「言うと思ったわよ。」
どうしてもこの【神衣】系スキルを使ってみたい。
「ほら、どういうスキルなのか分からないじゃん。」
「まあ、そうだけどね。」
スキルの使い勝手を調べるのは、生き残る為には必要なことだ。問題点があればそれをどう補うかを考えなきゃいけないからな。
「でもね・・・。」
「何だ?」
「先ずは回復役を仲間にしないとね。」
「そうだな。」
【神衣】系スキルは、使用後に体力や霊力の残量が1割に下がる。回復役が居なければ、危険すぎて使えない諸刃の剣だ。でも・・・
「プレイヤーは駄目だ。信用出来ない。」
「私もそうだな・・・。」
「でしたら、私がいい人を紹介しますよ?」
「お、流石結衣。その人はNPCか?」
「そうですね。ただ、あの人は、純粋な回復役とは言えないんですよね・・・。」
言葉を濁す結衣。
「どういうことなの?」
「攻撃も出来る回復役。それと、人見知りなので、協力してくれるかどうかは分かりません。」
「へえ。いいな攻撃も出来るなんて。・・・ダメ元で行ってみるか。」
「そうですか。じゃあ場所を教えますね。」
「何処何処?その人はどんな人なの?」
結衣は、ニッコリ笑って言った。
「西区中世都市。【ウェポンマスター】の男の子です!」