第8章 惑星ダロイヤール
1週間後、出発した星を除いて一番近くにある惑星に着いた。
「資産価値を算定した結果、こちらには数千億分の価値があることがわかりました」
「数千億!」
ロミクは、驚いたように声を上げた。
「インフレ気味なので、数千億といっても、あまり買えませんが、まあ、燃料は買えるでしょうね」
「それでもありがたいことです。売れて何ぼの商売ですから」
ローリールが計算した書類をロミクに見せながら、話していた。
この1週間で、ロミクにこの世界で使われている共通言語を教えていたが、あっというまに日常レベルの会話ができるまでに上達をした。
もう、ボディーランゲージはいらないだろう。
「それで、これらを、ここで売りますか?」
「もっと高く売れるようなルートってないんでしょうか」
「あまり詳しくないので…ああ、でも、知り合いに頼めば、かなり良い値で買ってくれると思いますよ」
「よい値ですか。いくらぐらいでしょうね」
「さて、それは交渉次第だと思いますよ」
そこまで話した時、カイツが船内放送をした。
「そろそろ着陸します。空港は自治政府によって運営されているらしいので、多分安全です」
「こんな大型貨物船、初めてだからね」
カイツの後ろで、ヒャカリトの声がして、ゆっくりとスピードが下がっていくのが分かる。
どうやら、操縦桿をヒャカリトが握っているらしい。
貨物船とつながっていたフルカイツは、全く同じようにつながったままだった。
惑星ダロイヤールは、中央政府が存在していたころには、商業の町として賑わっていた。
今でも、交易の中心地として、全銀河に名を轟かしている。
「ここに知り合いがいるから、そこで売買できるか聞いてみましょう」
「ありがとうございます」
ローリールがロミクに一応聞いてから、行くことを決めた。
それから、椅子に座って、着陸の為のショック態勢を取った。