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第75章 ひそひそ話
近づくにつれて、彼らの目的もわかって来た。
「……総統のために何かを探しているようだね。どうやら情報らしい」
ヒャカリトが少しコーヒーを飲み、それからカイツへと伝える。
「なら、何の情報か、ということが問題だな」
カイツがヒャカリトへと答えた。
そして、その彼らが欲しがっている情報が、カイツらが持っているとなればさらに問題は複雑化する。
「どんな内容か、さらに聞こえないか」
「ううん、まだ距離があるから……」
とは言いつつも、ヒャカリトは全力で聞き耳を立てていた。
「……わかった。ネットワーク管理局の局長に関する情報だ」
「なんでそんな人の情報を」
「分からない。でも、何かあるに違いないね」
4人でひそひそ話をしていると、おい、と声をかけられた。