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第62章 言い訳
「……なるほどな、話は分かった」
ここに来る間に作った契約内容や事業説明の書類を譜柴に見せつつ、ローリールはかなり細かく計画を話していた。
部屋は店の奥にある社長室のような豪勢な作りで、そこに譜柴は座り、ローリールからの説明をじっと聞いていた。
「計画については99パーセント賛同できる」
「残りの1パーセントは」
計画書を見ていた譜柴にローリールが問いかける。
「これほど巨大な宇宙貨物船、どこで作ったという。誰もが知らない造船所、というわけにはいかん規模だぞ」
「それについては、中古品の質流れ、とでも言っておけばいいんじゃないか。暗殺以後は、以前の記録もなにもかもがぐちゃぐちゃになっていたからな。ついでに言えば、唯一無事だったネットワーク管理局であってもその惨禍は免れなかったらしいしな」
「それも一つの手だな。考えておこう」
言って、譜柴はそういや聞いたか、とローリールに切り出した。