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第55章 今後の相談
「まずは、荷物を確認しよう。その銃弾のデータ。消しておいて」
「了解」
カイツが言うと、あっという間にローリールは閲覧していたデータを消した。
しかし、射殺時の銃弾のデータを閲覧したという記録は、ネットワーク管理局に残る。
そのことなら心配はないだろうとカイツがローリールに言った。
「ネットワーク管理局は、唯一残る帝国の行政主体だけど、そこには膨大な情報が日々アップロードされダウンロードされ、新たに作られて消されていくんだ。なら、きっと誰も気づくことはないさ。それに銃弾の謎は誰もが知りたい話だしね」
「そうかなぁ」
だが、ローリールは特に何を言うこともなかった。
「それで、どうする。エル社だったら詳しそうなのを一人知っているはずだけど……」
サバルがカイツに尋ねた。