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第49章 砂野丸
「自分らはフルカイツ同盟の者だ。アイランス・ロミク船長から承認を得て、この船の中にいる。アイランス・ロミク、エル・カルータ社常務、上級副社長、一級ライセンス保持者の承認だ」
ヒャカリトがあり得そうな話をする。
少なくとも、ロミク船長はこの船と何かしらのかかわりがあるような気がしたからだ。
「船員名簿確認中……」
その時間は、かなり長く感じる。
実際のところは数秒であるのにもかかわらず。
「確認できました。アイランス・ロミク一級ライセンス、エル・カルータ社常務兼上級副社長。あなた方を当社常務兼上級副社長の代理人として登録します。お名前を」
「アルコック・ローリール」
「ヒャカリト・アールハン」
「両名を代理人として登録しました。ようこそ、エル社貨物船、砂野丸へ」
どうやら、それが船名のようだ。