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第46章 壁パネル
「ダイオキシン濃度が高いな」
ローリールが検査結果を見ながら言った。
「プラスチックかなにかが燃えたってこと?」
ヒャカリトがいう。
酸素濃度11%は、筋力が低下し、めまい、吐き気の他にも、人によっては意識不明やチアノーゼを引き起こす。
それがずっと続いているのであれば、生命反応がないのも、ある意味当たり前ということになる。
「近くにパネルがないかな……」
ヒャカリトは、赤色の非常灯が常灯している壁際を触りながらいう。
通常灯に切り替えようということのようだ。
「あった」
3歩ほどで目的のものにあたる。
パネルの保護ガラスがあったはずだが、どこかに落ちたようだ。
「これかな」
見たことない言語で書かれていたその説明書きを見ながらも、きっとこれだろうということで、ヒャカリトはスイッチを入れた。