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第39章 開始
問題の地点は、惑星近傍領域とよばれるエリアだ。
「何か痕跡がないかなぁっと」
ヒャカリトが船を問題のところに止めると、すぐに面々はシートベルトを外す。
ふわりと体が浮くのは、重力が発生していないからだ。
「このあたりからチェックしていこうか」
カイツが壁際にあるスイッチ類を操作しながら聞く。
「わかった、周囲の警戒を怠らないようにしよう」
ヒャカリトが言いつつも、AIであるジョージを起動していく。
「私たちは何をすれば?」
サバルと、すぐ横にいるローリールがカイツに聞く。
「じゃあ、手伝ってもらおうか。宙域全域のイオン濃度を測って」
「了解」
二人に言うと、カイツとは別の方向に浮かんでいった。