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第33章 行政長官執務室
カイツはロミクのこともあり、一旦イワオへ話を通しておくことにした。
「とりあえず、みんなで行くか。話とかもその方がしやすいだろうし」
ちらっと、カイツは歩きながら後ろを歩いているサバルを見た。
やる気に満ちた表情ではあるが、なにやら焦りも見える。
「……とにかく、だ」
カイツが残り3人に話す。
「イワオさんへ話をする。俺がとりあえず話すから、何かあれば言ってくれ」
だが、誰も声を上げようとしない。
会話の中で話すこともあるだろうと考え、カイツはイワオがいる行政長官執務室のドアをノックした。
「どうも」
執務机は、秘書の人が90度の形で隣接している、まるでL字のような構造をしていた。
ドアから一直線に見えるのが秘書で、そこにカイツが挨拶してから、すぐ右にいるイワオへと話を振る。
「お願いしたいことがありますが、少々お時間よろしいでしょうか」
「ええ、どうぞ。できるかぎりはご協力しましょう」
カイツたちは、イワオの前にやってきて、話を始めた。