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第29章 行政長官
指定された座標は、平たい陸地の真ん中だった。
何やら、壊れた建物がいくつか点在しているが、パッと見誰も住んでいるように見えなかった。
そこに、超大型貨物船と一緒にカイツ達の宇宙船も着陸した。
「お待ちしていました」
着陸が完了し、カイツ達が船から出てくると、すぐにすぐそばの建物の1階から人が現れる。
「この惑星の行政長官をしているバーバロン・イワオです。どうぞよろしく」
「こちらこそ、フルカイツ同盟、同盟長のウェーン・カイツです。ところで……」
カイツのすぐ後ろからやってきたサバルに、話を引き継ぐ。
「教授は、シバリュ教授はどこにおられるのですか。無事なのですか」
「ええ、教授は無事です。天変地異は、教授がいない間に起きたので」
「そう」
良かったと、ホッとしているサバルに、イワオは提案をする。
「そうだ、これからお会いになられますか」
「できますか」
カイツが尋ねる。
「ええ、少々お時間をいただければ」
そこでイワオに、ジュディに会えるようにセッティングを依頼した。