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第23章 緊急転送
突如として、AIがさわぎだした。
「敵、砲戦距離内に突入確認」
防御用AIのヨウビがけたたましい警報音の中、全員に通知をする。
「よし、向こう側とのリンクは」
カイツが叫ぶと、ヒャカリトが叫び返す。
「オールクリア!」
「敵、砲撃開始」
「緊急転送開始!」
カイツの命令で、周囲の小惑星のいくつかと一緒に、ワープを開始した。
敵が放った砲弾は、そこのぎりぎり外側にいたため、ぶつかることなく炸裂した。
その直後、炸裂光よりもまぶしい光に、小惑星帯はつつまれた。
太陽の何十倍もの明るさだったという。