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第22章 敵襲
敵が来ていることを知らせる警報音が、けたたましくなっている間、カイツはエル社のロミクに連絡をしていた。
「敵が来てますんで、すぐにでもワープをしようと思います。そちらのAIをこちらにリンクしてください」
ザーザーと雑音が入りながらも、カイツの声はロミクに届いているようだ。
「……しました」
その間にも、警報音はけたたましく鳴り響く。
「敵、もうすぐ砲戦距離に接近するよ!」
ヒャカリトが叫ぶ。
「エネルギーをワープに注ぎ込んでくれるか」
「なんで!それだとバリアも消さないと!」
「砲戦距離に達した瞬間、向こうと一緒にワープするぞ。座標軸設定!」
ヒャカリトの言葉を無視して、カイツが叫び返す。
他の面々は、砲戦に備えてそれぞれの待機場所へ向かっていた。