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第18章 発射
AIによるカウントダウンが、船内に響いている。
今は、距離を測っているため、100単位でのカウントだ。
「4500…4400…4300……」
敵からも攻撃を受けているが、今のところは上手に避けている。
ところどころ、バリアー面が光っているが、敵の弾が消滅しているところから、上手に機能しているようだ。
「弾装填開始せよ」
4000を切った時にヒャカリトが命令を下す。
AIはすぐにその声を認証し、実弾を装填する。
「バリア突破用プログラムは、通常ランダム周波数に設定を」
ジョージの声で、ヒャカリトの命令が実行されることが確認される。
3500を切った時点で、さらに命令を下す。
「彼我距離3000を切ると同時に、実弾を発射せよ。全弾を発射後は、距離を取れ」
「了解しました」
ジョージの声が、静かになったコックピットに響く。
3000を切った。
瞬間に、何も言わなくても、実弾が自動的に射出される。
15秒に1発のペースだが、それが15発分続く。
この船に乗せれるのは、それが限界だった。
全弾射出するまで、緊張の時間が続く。