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第17章 弾丸準備
宇宙戦闘で使われる実弾には、特殊な機構が組み込まれている。
相手も、船体の周囲に電界による膜を張っているため、実弾を潜り込ませるためにはそれを突破する必要がある。
この電界は、ほぼランダムな周波数による電波であり、物質の固定周期に合わせることによって、その物質を破壊することができるというものである。
このため、攻撃側が必要な行為とは、その周波数を乱すこととなる。
そうすることによって、固定周期からずらすと、物質が破壊されることなく、船体へと到達することができる。
それをねらう。
「弾の周波数については」
カイツがヒャカリトへ聞く。
「通常ランダム装備で行けると思うよ」
「じゃあ、よろしく頼む。発射のタイミングは、3000から随時」
「アイアイサー」
敬礼をして、ヒャカリトがカイツへ返答する。
それから、弾の調子を確認したり、敵との距離とを測りながら、撃つタイミングを図っていた。