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第14章 惑星からの離脱
ヒャカリトに、宇宙空間へ出たとたんにカイツが指示を飛ばす。
「できるかぎり、俺らが敵らを引き寄せる。60億キロメートルの破砕帯に侵入するような奴らはいるだろうか」
「それはしてみないとわからないね。充填は完了。いつでも攻撃可能だよ」
「さすがに惑星管制内で銃をぶっ放すのは控えておこう。向こうが攻撃すれば別で」
「りょーかい」
カイツの言葉に、すぐにヒャカリトが答えた。
「安全装置解除、敵さん、どんどん増えていってるな」
「管制塔から入電。即時退去を要求」
AIのヨウビがカイツに入電内容をすぐに伝える。
「わかった。ただいまから管制圏内から離脱する。ヒャカリト、ジョージの限界解除状態での起動を許可。敵を殲滅するつもりでいけ」
「よっし、いきますか」
ローリールがカイツに向かっていった。
「離脱まで、5、4、3、2、1…」
そして、船は惑星管制権を離脱し、公宙上へと動いた。