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第13章 別行動
ロミクへ連絡を入れると、そのような装備はないという。
「…しまった。無いのか」
「どうしますか」
ロミクが慌てた口調で、カイツに言ってくる。
「ヒャカリト、周囲の様子を確認してくれ。どこかに身を隠せそうな小惑星はないか」
「ここから60億キロメートル離れたところにある破砕帯ならいけそうね」
「いいですか、よく聞いてください。こちらからAIを接続し、航路をインプットさせます。というか、今してます。その航路に沿って、船を動かしてください。目的地へ到着したら、すぐそばの小惑星へ着陸し、絶対に物音立てないでください。分かりましたか」
「ええ、了解しました」
その声には、緊張の色がありありとうつっている。
「では、健闘を」
カイツがそれを言った瞬間、全ての接続を解き、ロミク達とは、一旦別れることになった。
向かうは、60億キロメートル離れたところにある、惑星の成れの果て、破砕帯だ。