表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/10

クソ国王に会いに行こう

 場所は王城、謁見の間。スカイ公爵家当主ビリーは国王に謁見していた。国王の名はオークズリー・デンティス、その名の通りオークの如く醜い容姿だ。実はこのオークズリー、王子だったころはこの腐った王国を自分の代で立て直そうと決意していた人物であった。王太子になると街に出て国民の声を聴こうと努めたが父である国王から叱られ、さらに太っていたことから国民からも馬鹿にされ続けたために性格が歪み今現在のような腐っている国王になったのだった。


「陛下、シンヤ殿下の定期報告に参りました。シンヤ殿下は本日、10歳の誕生日を迎えられ大変元気に成長しております。しかしながら先日、高熱にうなされこのところずっと寝ており本日ご快復されました」


 正直に屋敷の階段から転倒したといえば取り潰しになるので熱を出したという形に変えてビリーは報告した。報告を聞いた国王はしばらく考えるふりをして口を開いた。


「そうかそうか。ビリー、明日の9時にシンヤを連れてまいれ。10分ほど話したいのだ、それに…本当ならこの国から貴族を消したいのだがなぁ…そういえばビリーよ。確かそなたの息子は死んでいたな。シンヤが成人すると同時に養子にやる。跡取りとするがいい」


「畏まりました」


 こうしてビリーによる国王への報告は終わったのだった。

 翌日になった。そして俺は今冒険者の格好ではなく貴族の正装を着ている。それはなぜかというとどうやら王が会いたいと言ってきたらしい。


「シンヤ殿下、アーク殿たちがまいりました」


「とりあえず屋敷で待ってもらいなさい。すぐに終わるだろう」


 スカイ公爵の案で3人には客間で待ってもらうことにした。ただ一言詫びないといけないので公爵には先に玄関で待っていてもらう。

 客間に入ると紅茶を飲んでいる3人がいた。がちがちに緊張しているが。


「おう、シンヤ。俺たちは待ってるからよさっさと行って来いよ」


「すみませんね。はあなんでよりによってあのクソ国王と会わなくちゃならないのか…」


 俺のつぶやきが聞こえたのか3人とも苦笑いだ。とはいっても注意はされない。それだけクソ親父が嫌われているということだ。俺は3人のことをメイドに頼みスカイ公爵と共に馬車で王城にまでやってきた。ちなみにデンティス王国の王城はボロボロ…いや廃墟に近い。俺の祖父…つまり先々代の国王は国民から嫌われていても王城はしっかりと整備していたらしい。というのも口癖のようにどれだけ税を取り立てて使い込もうとも王城だけはきれいにしておかないと王国の恥といっていたようだ。祖父が亡くなったのは俺が生まれる2週間前だったようでそれ以降だんだんと廃墟になっていったらしい。ただ廃墟といえども一つだけ整備されているところがありそれは王族の別邸になる。本来は王族は王城に住むのだが廃墟過ぎて庭に新たな家を建てたのだ。公務をほとんどせずにその家でひたすら贅沢をしているようだ。

 ちなみに会うのは王城になる。自分たちの縄張りには入ってほしくないらしい。ボロボロの応接室で待っているとブクブクと太った二人が入ってきた。片方は父である国王、もう片方は俺の義理の母である王妃だ。これは世界辞典で調べたのだが王妃は魔法で寿命を延ばしているらしく200歳を超えているとかなんとか。世界各国の貴族や王族の妻となり贅沢をしているとのことだ。ちなみになぜ義理の母なのかというと実は俺は国王が王城に仕えていたメイドに手を出してできた子だからだ。ちなみにそのメイドは俺を出産したのちに王妃にあらぬ罪を着せられ処刑されたとかなんとか。


「陛下、お久しぶりでございます。昨日、10歳となり報告にまいりました」


「シンヤよ、ようまいった。お前は成人したのちにビリーの養子となりスカイ公爵家の後を継ぐのだ。話はそれだけだ。とっとと失せろ‼」


 たったそれだけのことを伝えるためだけに呼ばれたっていうのかよ。まあ半年後には俺が王になってるんだけどな。

 そう思いながら応接室を後にしたのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ