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転生しました

「ここは…そうか。俺は転生したんだな。とりあえずは誰かに…」


 目を開けると様々な情報が飛び込んでくる。正確には記憶を取り戻す前までの記憶だ。どうやら俺は階段から転倒し頭をうったらしい。手を目の前に出し少し運動をしてみる。体が小さいのは少し慣れないが何も始まらない。


「誰かいるか?」


「お目覚めのようですね。シンヤ殿下。何か御用でしょうか」


 すぐにメイドが来るが少しおびえている。記憶を呼び起こすとどうやら俺は王族ということで疎まれているらしい。しかもわがままで横暴だったようでメイドたちによく暴力をふるっていたらしい。


「どのくらい…寝ていた」


「3日ほどにございます。すぐにビリー様に伝えてまいります」


「頼む…。それから…今まで暴力をふるってきてすまなかった。早く呼んできてくれ」


 メイドはすぐに一礼すると部屋を出ていった。その間の時間で俺は世界辞典でこの国のことを調べる。

 どうやらこの国はぼろぼろのようだ。このスカイ公爵家は国政に携わらせてもらえず父である国王とその側近が国を動かしているらしい。といっても重税を課して贅沢しているだけだとか。

 ちなみにこのスカイ公爵家は当主のビリーだけで跡取りは早くして亡くなりこのままいけば俺が継ぐことになっている。まあ継いだところで何も変わらない。この国を変えなければ。


「殿下、お目覚めになられたのですね」


「ああ、問題ない。それよりビリー、この国をどう思う?本音で答えてくれ。父上には報告はしないと誓う」


「この国をですか。恐れながら民は重い税に苦しみ王族に不満がたまって…」


「そうか。ビリー…いやスカイ公爵、俺は王族の一員だ。しかし第二王子でしかない俺はこのままではスカイ公爵の後を継ぐしかない。継いだとしてもだ…何もできないだろう。あの父上…いや今のこの国ではな。俺は王族の使命を思い出した。贅沢をするのではない。民の暮らしやすい国を作るのが我々の役目だ」


 俺の言葉を黙ってスカイ公爵は聞いている。何を思っているのかは知らないが目にうっすら涙が見えるのは気のせいだろうか。


「スカイ公爵、今までの非礼…すまなかった。そして俺に力を貸してくれ」


 迷うことなく俺はベッドの上に正座し土下座した。

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