Episode1
新連載!!です!!
個人的に芥川龍之介をテーマにした小説を見かけることがなかったので、もしも芥川龍之介が現代社会に転生したら....?という感じの話を書いてみました!!
ちなみに芥川龍之介の転生先はうら若きJKです。
もう一度言います、芥川龍之介の転生先はうら若きJKです。
昔々.......時代が大正から昭和に移った頃、一人の小説家が自ら命を絶った。
その小説家の名は芥川龍之介。
後の日本において、多くの小説を残した文豪の一人として名を馳せる人物である。
彼は漠然とした将来の不安を抱えていたからか、睡眠薬を大量に飲むことによって....いわゆるオーバードーズによって、この世から消え去ろうと考えていたのだが
「.......」
今現在の芥川龍之介は令和と呼ばれる時代に、一言で言えば未来の世界の病院の一室にいた。
彼は目を覚ました時、最初は自殺に失敗したと思っていたのだが....違和感のある声に膨らみのある胸を見た芥川龍之介は、今の自分はうら若き少女に転生したのだと秒で理解した。
そして、芥川龍之介は自身の転生先が西野つばめという少女であること、彼女自身は数週間前に交通事故(トラックとの接触)に遭い、生死の境を彷徨っていたことを知った芥川龍之介はこう思った。
これが輪廻転生か.....と。
彼自身、自殺したからあの世はあの世でも地獄に行くだろうと思っていたようで、再びこの世に戻ってきたことに対し、また不安を抱えて生きていくのかと、生前の時と同じようにほんの少しだけ不安を感じる形で、芥川龍之介ではなく西野つばめとしてこの現実を受け入れていた。
そして、時計の針が何周か回った頃......部屋に入ってきた一人の看護師は、生死の境を彷徨っているはずのつばめが目覚めている上に、こちらが違和感を抱く程に落ち着いている彼女を見て、案の定分かりやすく戸惑っていた。
そんな看護師に対し、つばめは事故の影響で記憶喪失になったと嘘八百を並べたところ、その事故が余程悲惨な事故だったようで、それが結果として彼女の口から出た嘘八百に真実味が出たのか、その嘘を信じた看護師により、つばめは今世での両親と出会った。
「「つばめ!!」」
そう言いながら娘を抱きしめる両親の姿を見たつばめは、久々に親の愛の暖かさというものを感じたようで....その両親を抱きしめる形でその愛を再確認していた。
つばめの両親は心の底から彼女を娘として愛していて、彼女の肉体が生死の境を彷徨っていた頃から面会に来ていたことを知ったつばめは、ほんの少しだけ胸の中に抱いていた不安が和らいでいたのか、肉体に残った記憶を頼りに、母親に向けて口を開きながらこう言った。
「....お母さん」
「何?どうかしたの?」
「私.....甘い物が食べたい」
それは、生みの親と育ての親との間で悩み苦しんだつばめが.....芥川龍之介がこの世界で初めて親に甘えた瞬間であった。
一方、その言葉を聞いた母親はその言葉を意味をするのに時間が掛かったようで、一瞬だけキョトンとした顔になってきたけれども、生きるか死ぬか分からなかった中で目を覚ました自分の娘が目覚め、そして甘えているのが余程嬉しかったのか、ニコッと笑いながらこう言った。
「分かった。じゃあ甘い物を買ってくるわね」
そう言った後、病室を後にした両親の後ろ姿を眺めていたつばめは、テーブルの上に置かれていた情報機器.....現代で言うところのスマホを手に取ると、普段からスマホを使っていたであろう彼女の記憶を頼りに、そのスマホを操作しながらこの時代について調べ始めた。
それから数分後、幸いなことに芥川龍之介だった頃から好奇心旺盛だった彼女は、すぐに現代の叡智とも言える道具であるスマホの使い方を慣れたようで、今現在はフリック入力の練習をしていた。
ただ、スマホの検索欄に書いてあったとあるサイトが気になったつばめは、どうせ転生したのだから試しに見てみようと思ったようで、そのサイトを覗くことに。
その瞬間、彼女は....いや、芥川龍之介は驚きのあまり目を見開きながら思わずこう呟いた。
「これは一体....何なんだ?」
つばめが覗いたそのサイトは、この時代で言うところの自由に小説を投稿できるサイト.....俗に言うところの小説投稿サイトで、芥川龍之介として自由に小説が投稿できる時代を生きた彼女にとって、これは衝撃的な代物だった。
それに加え、その小説投稿サイトは様々なジャンルに対応しているのをスマホ越しに見たつばめは衝撃を受けたようで、両親が病室に戻るまでスマホ経由でそのサイトの小説を片っ端から読んでいた。
やがて、両親が病室に戻ってきた頃にはそのサイトのランキング入りした小説を一気に読破していたようで、未来の世界の小説を読んだ彼女は芥川龍之介として面白いと感じるのか、平行線を保っていたはずのその口角は次第に上がっていた。
やがて、彼女の中で作家としての執筆欲と情熱が湧き上がってきたのか、それとも作家としての本能が刺激されたのか....いつの間にやら興奮した顔になっていた彼女はこう声を漏らした。
「ほぅ....自ら命を絶った私にまた小説を書け、ということか」
一度自殺したはずの自分が未来の世界に転生する。
このことだけでも、小説のネタになりそうな非現実な出来事なのだが.....今のつばめをそれを超える程の執筆欲に溢れていたのか、興奮のあまり目が狼のようになっていた。
彼女が抱いたその興奮の感情は、徐々にこの世界を生きるための精神的な支柱へと変わっていったようで、不安のことなどすっかり忘れていた。
何だ、小説を書くモノがデジタルと呼ばれる概念に変わっただけか。
つばめは瞳を爛々と輝かせつつもその事実を受け入れると、彼女はこの世界での生きる意味を見つけ出したことに喜びを抱いたのだった。
「生と死の先にあるのは新たなる創作意欲....か。これもまた小説家の道を選んだ私の因果、というかもしれないな」
彼女はニヤリとした顔でそう呟くと....芥川龍之介という小説家の欲望のままに、文豪と言う名の怪物の本能のままにサイトの下書き機能を使って小説を書き始めた。
その集中力は凄まじく、たまたま様子を見に来た看護師に注意されるまで小説を執筆し、時間を掛けて短編集の一話目を完成させたつばめは、それを早速サイトに投稿した。
彼女にとって、完成させた小説は入院中の楽しみ兼小説を書くリハビリとして書いたもので、特にサイト内のコンペ等に出すつもりは無かったようで、小説投稿サイト内でデビュー作を投稿したつばめは、自分の作品の反応を見ることなく眠りについた。
最も、その小説が後にこの小説サイト内.....しいては小説好きや小説家の間で話題となり、後に業界を引っ掻き回すことになるとは当の彼女は知るはずもなく、医者から退院の許可が降りるまでの期間を病院で過ごしていたのだった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!!
次回をお楽しみに!!
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