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面接は最初の6秒で決まる  作者: 坂月陽
第三章 心理戦
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心理戦2

駅前通りを歩くと平日の午後ということもあり閑散としていて、五分とかからず本屋のあるビルに到着した。


実家に戻って数十年ぶりにこの場所に来たが、以前は一階が楽器店だったはずが現在はドラッグストアに替わりこれも時代の流れだろうが、本屋が残っているのは有難かった。当時は駅前に三店舗あった本屋が今はここだけである。


階段を上り本屋のある三階に着くと、入り口には新刊本や話題の本が平積みされていた。魅力的なタイトルと表紙、そして店員が書いた手書きのポップに惹かれ目に止まった本を一冊、手を伸ばしたくなるが今日の目的の本はここにはない。


後ろ髪を引かれる思いで奥へ進み、受験や資格試験の参考書と同じ列にある「面接本」のコーナーを見つけたが、棚の一部分だけで広くはない。


私はバッグからメモを取り出し、棚の前に平積みされた本とメモを交互に見ながら目的の本を探す。一冊、二冊と順々に手に取り中身を確認する。残念ながら目立っているのはタイトルだけで、お金を出すまでもないと元ある場所へ戻した。


わざわざバスに乗り、なけなしのお金を払ってここまで来たのに「なにもない」ではさすがに困る。久しぶりに心に炎が宿り、やる気がみなぎっているのに武器も戦術もなければこれまでどおり面接で玉砕するのは目に見えている。


平積みの本はすべて目を通した。後は棚に陳列されている本から選ぶことになるが、メモまでして手に取った本が期待はずれだっただけに難しい局面ではある。しかし、ここまで来たのだから結果がどうあれ目的を完遂したい。時間にすれば二十秒もかからないだろう。


「よし!」


暗い気持ちになっても仕方ない。心機一転、最後はゲーム感覚で楽しもうと思った。まだ道半ばだ。最後まで希望を捨てなければ「まさか」の逆転があるかもしれない。


私はそのゲームを「三十秒チャレンジ」と命名して、棚の隅から隅まで指差し確認しながら心の中でタイトルを読み上げることにした。この三十秒に私の命運がかかっていると思うと少し緊張してきた。


棚から一旦視線を外し、天井を見上げて大きく深呼吸した。何度目かの深呼吸の後、息を吐き切ったところでゲームを開始する。


「始め!」



ご覧いただきありがとうございます。

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