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面接は最初の6秒で決まる  作者: 坂月陽
第十一章 面接一週間前
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面接一週間前1

無職はとかく「時間の感覚」が無くなりやすい。毎朝決まった時間に起きる必要がないので、九時十時と起きる時間は遅くなり、寝る時間は二時三時と後ろへずれていく。いわゆる「夜型生活」への移行だ。


それが進行すると「月日の感覚」が奪われていく。出かける予定がないので、今日が何日で何曜日かなど気にする必要もない。


しかしその間も時間は流れ季節は移り変わり、昨日までTシャツで外を歩いていたと思ったら今日はダウンコートを着ていたなんてこともある。季節を忘れるくらい密度の薄い生活になってしまう。


私は朝ノートの始めに日付と時間を書くようにしている。それをいつ書いたのか、未来の自分が読んだときに反省材料になるかもしれないからだ。言うなれば現在の私から未来の私への「未来への伝言」。何もない私にとって今できる精一杯の悪あがきだ。


今日のテーマは「面接一週間前」。いよいよまきちゃんの本の最後の章だ。あの緑の看板の店でまきちゃんの本を開いて早数週間、私は面接対策を真剣に取り組んできた。現実を受け入れ、自分の不甲斐なさを痛感しながらもそれを克服しようと努力を続けてきた。


今朝も五時三十分に起き、今でも朝活を続けている。午前はまきちゃんの本を読んで面接対策、午後は資格試験の勉強に費やして来たるべき「面接日」に向けて準備をしている。


まきちゃんの本と出会ったあの日から私の一日は密度の濃いものとなった。後は「面接合格」という結果だけだ。最後の章に入る前に私は立ち上がって伸びをして、大きく深呼吸をした。


まきちゃんは説明を始める。


「面接は『一期一会』なの。採用されなければその場所、その人との時間は最初で最後になるわ。だから面接は大事にしなさい。面接はね、『準備』したことしか言葉にできないのよ。わたしはこれまで面接官の視点で一つひとつ丁寧に説明してきたわ。


・応募先の強み

・求める人物像

・志望動機

・退職理由

・空白期間

・逆質問


これらは面接官が『必ずする質問』で応募者が答えられなければならない最低限の質問よ。でも、面接に自信を持って臨むにはこれだけではまだ足りない。あと五つの想定質問を調べて回答を用意しなさい。


残念ながらわたしの助言はここまで。上記の質問が面接官の『基本の六』なら、『応用の五』はあなたのこれまでのキャリアや希望する業界によって変わるから、一つひとつ想定質問を挙げていたらきりがなくなるわ。でも、心配しないで。必要な情報はネットで集めることができるから」


ご覧いただきありがとうございます。

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