空白期間3
空白期間についてまきちゃんは説明する。
「中途の応募者にとって面接は簡単ではないわ。五十社応募して一社書類が通れば御の字よ。でも、やっとの思いでたどり着いた面接でも落とされて、採用が決まるころには百社の大台に届く応募者も少なくないの。
面接では退職してから当日までの『空白期間』を必ず聞かれるわ。新卒でいう、学生時代に力を入れた『ガクチカ』ね。もしあなたが『転職活動をしていました』などと言おうものなら面接はその時点で終了よ。その瞬間に面接官の頭は強制終了するの。そこじゃないのよ、彼らが聞きたいのは。転職活動の何を具体的にしたのか、『具体的なもの』を聞きたいの。面接官の質問には意図を汲んで答えなさい」
中途応募者が面接で聞かれることは決まっているが、その一つが「空白期間」だ。私はスーパーの面接でそれを聞かれたとき、まきちゃんが言ったとおりの台詞を言って不採用になった。
「転職活動をしていました」は新卒の「サークル活動をしていました」に等しく、その先を続けないとマイナスポイントになるのかもしれない。
まきちゃんは説明を続ける。
「面接はね、『作文』なの。前にも言ったわよね。ネガティブな理由でもポジティブなものに変えるだけで同じ事実がまったく違う印象を与えるの。簡単な例を示すわね。
・ぼんやりネット動画を観ていた(現実)。
・前職では残業が八十時間を超える月や休日出勤もあり、自分の時間をほとんど持てませんでした。空白期間のこの機会に観たかったドラマや映画を観て多くの刺激をもらい、気力体力が回復しました。御社に入社した際には、力一杯働きたいと思います(面接)。
面接はね、『言い方一つ』なの。空白期間に何をやってもいいの。旅行に行っても、趣味に没頭しても、ぼんやり天井を眺めて将来を憂いてもいい。でも、やったことには『責任』を持ちなさい。空白期間は面接で必ず聞かれるのだから、それを入社後にどのように活かすのかを面接前に答えを準備しておきなさい」
まきちゃんは魔法使いなのか。ぼんやり動画を観ていたのが、力一杯に働くという前向きな発言に変えてしまった。この域に達するには時間が必要だが、幸いにも私にはそれがある。まずは現在勉強している簿記二級が入社後にどのように活かされるかの叩き台を考えてみた。
「私は在職中にできなかった『新しい知識』を得るために毎日勉強を続けています。現在は簿記二級を勉強中で、新しい知識の習得は新たなチャレンジ精神を生み、固定観念にとらわれずに積極的に仕事に取り組むことで御社に貢献できるものと思っています」
面接のルール9:
・空白期間にやったことを応募先で活かすための説明を面接前に準備する。
・ネガティブをポジティブに変える作文を習慣にする。
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