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面接は最初の6秒で決まる  作者: 坂月陽
第九章 空白期間
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空白期間2

家に着くと靴下はやはり濡れていた。水溜りに注意して急いで帰ってきたにもかかわらず、数分外出しただけでこの有様だ。朝から雨が降るとそれだけで気持ちは沈む。


朝ノートに憂鬱な今の気持ちを全部吐き出して、最後の一行を「それでもがんばる」と前向きな言葉で締めくくると不思議と前向きな気持ちになるものだ。席から立ち上がるとシャワー、朝食といつものルーティンに進む。


今日の朝食は好物のシーザードレッシングがかかったサラダだ。箸で一つまみして口に運ぶと濃厚で独特な味がする。かけ過ぎるとくどいが、気分を変えたいときはこれくらい濃いものがちょうどいい。サラダを食べ終わり、空腹を満たしてからまきちゃんの本を開く。今日は「空白期間」の章だ。


これまでは手が動かないことが多く苦戦したが、今回は自信がある。答え合わせくらいの感覚でいいはずだ。というのも私は面接対策の傍ら「資格試験」の勉強をずっと続けてきたからだ。


最初は不動産鑑定士試験。宅建試験と範囲が重なるので自信はあったが、試験を受けてみるとまったく手応えがなく一次試験で撃沈。勉強を続けて一次試験に合格しても次の二次試験の四科目すべてに合格する未来が見えない。しかも記述だ。高すぎる壁に阻まれて初年度で断念した。


次に登録販売者試験。コロナの世界的流行が連日報道されたことで健康に関心を持つようになり、何か勉強できないかと探したところこの資格が目に留まった。受験者も年間五万人超とそこそこ多く、しかも都道府県運営の公的資格だ。取っておいて損はない。


しかし、私は文系なので医学、薬学の予備知識はゼロなので始める前は不安もあったが、粘り強く勉強を続けた結果一発合格。


三つ目はFP三級と二級。この資格は前職で「資格手当て」が支給されていたので名前だけは知っていた。不動産業に再び復職したときに役立つと思い受験。金融の知識だけでなく、税や社会保険など可処分所得に関することも問われるので、収入がない身としては節約生活に大いに貢献するだろう。こちらも一発合格。


最後が簿記三級。会社の利益や決算などの「数字」の意味を理解することで企業分析のIR情報の理解につながると思い受験。三級は短期間で合格し、現在二級を勉強中。簿記二級は宅建と並び評価が高く、年齢面でのマイナスを少しでも挽回できればと勉強を続けている。




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