第一印象2
私は起き上がり、PCの電源を入れて「面接」と関連するキーワードを組み合わせて動画を検索する。
「なんだ、これは!」
元採用担当者やそれに携わったと思われる者たちが動画に出演しているのだが、皆総じて「ブサイク」なのだ。それは仕方ないとして、身の程をわきまえずに変顔や笑顔全開で気取ったポーズをするものだからブサイクに拍車がかかり、怒りと同時に強烈な不快感が胸の奥から込み上げてきた。
サムネの横にタイトルが表示されていたが、サムネが強力過ぎて脳がこれ以上の思考を拒絶している。私はモニターから視線を外し、再び天井を仰ぎ見ながら考えた。
彼らは見たところ二十代から三十代前半で、社会でいえば若手に分類される世代だ。その若手が応募者の人生を左右する面接を担当したというのか。
会社にとって優秀な人材は「人財」といわれ利益をもたらす宝であり、それを経験の浅い彼らに任せるとは考えにくい。その証拠があのサムネだ。
視聴者の注目を集めるために奇をてらったサムネを動画作成のマニュアルに従って作成したのだろうが、そもそも面接の動画を観るのは採用を本気で願う応募者だ。
彼らは面接で採用されるための「答え」を探して動画を探している。それとまったく関係のない変顔や気取ったポーズのサムネを出して誰が観るというのか。お笑いならそれで通用するかもしれないが、答えを探している応募者にお笑いは必要ない。
私は心を落ち着けるために椅子から立ち上がり、大きく深呼吸した。気分転換に深呼吸は最適だ。息を吐き切ると再び椅子に座り、気を取り直してキーワードを変えて動画を検索する。
今度は「面接連敗中」の顔出ししていない動画が表示された。一度裏切られただけに「頼むぞ!」と願いを込めて観てみると、先ほどとは違う不快感が込み上げてきた。顔出しをしていない、気取ったポーズもしていない彼らになぜ不快感が込み上げるのか。それは彼らの「声」だった。
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