朝活3
文句がないようなので私はコンビニに向かうことにした。ところが、歩いている最中に雑念は再びささやき始める。
・コンビニで何を買うか決めたの?
・十五分も歩いたら疲れるよ?戻ろうよ?
・帰った後はどうするの?その後は?
一つひとつに答えていたらきりがないのでしばらく無視をしていたが、それでもささやき続けるので私はそれらを振り払うように散歩からジョギングに切り替えた。
これからは呼吸音と足音のみに集中する。雑念も私の一部なので、身体に負荷がかかればおとなしくなるだろう。
「スースーハーハー、スースーハーハー」
私の耳には呼吸音と足音しか聞こえない。途中まで抵抗していた雑念も負荷がきつくなったのか、いつしかささやきは聞こえなくなっていた。
慌しかった初めての朝散歩改め朝ジョギングも、目的地であるコンビニに着いたときには達成感と同時に誇らしげな気持ちが湧いてきた。
「やればできるじゃないか!」
私は意気揚々とコンビニに入った。雑念も心配していた朝食選びだが、私には「策」があった。
実家暮らしとはいえ自炊しているので、動画検索の候補には「レシピ」の文字が表示される。料理の専門家によれば朝は野菜と炭水化物、つまりサラダと米が良いらしい。朝の「パン食」には専門家の間でも賛否があるようだが、とどのつまり好き嫌いだと思う。
私は体感的に米のほうが満腹感が得られるので二者択一であれば米を選ぶことが多い。早速カット野菜百十円とおにぎり百七十円……。
「おにぎりが百七十円だと!?」
以前に見たときは百十円だったおにぎりが百七十円に値上げされていた。たった六十円でも節約を強いられている無職にとっては大きな出費だ。ニュースでは連日物価高や米の値上がりが報道されているが、我が町も他人事ではなさそうだ。今日は一旦おにぎりを保留にして、サラダだけを買ってコンビニを出た。
帰りは最初からジョギングで家に向かった。私は元来せっかちなので歩くよりジョギングのほうが性に合っている。自分の発する呼吸音と足音のみに意識を集中すると、行きは二十分近くかかったのが帰りは十五分を切って戻ってこれた。
そして家に着いたら間髪入れずに「朝ノート」だ。まきちゃんの言葉を思い出す。
「散歩から帰ったらすぐに朝ノートを書いて。いい?すぐよ、休んだらダメ!」
その教えどおりにタオルを首にかけると着替えもせずに席に着き、昨日買ったノートを開いてペンを握った。
「何だ、これは……」
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