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面接は最初の6秒で決まる  作者: 坂月陽
第五章 朝活
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朝活2

ベランダの向きで方角はわかる。家のベランダは確か南向きだったはずなのでベランダを背にして東側、つまり右へ進めば朝日を拝めるはずだ。


私は回りこんでベランダの向きを確認すると右へ進路を取った。しばらく進み、視界が開けたところで朝日は強烈な光を放っていた。


「これか……」


言葉を出すのがやっとだった。これまで意識して朝日を見たことはなかったが、改めて見るとなんだか神聖な気持ちになった。眠気やイライラ、不安な気持ちなどいわゆる「負の感情」が渦巻いていたはずなのに、最初からなかったかのようにそれらは一瞬で蒸発した。ただただ、神聖な気持ちがじんわりと心を満たしていった。


「これがセロトニンの効果か……」


朝日を身体全体で受け止めたくてしばらく見つめようと思ったが三秒持たずに目が痛くなり、その後は歩きながらのチラ見作戦に切り替えた。


歩き始めて数分後に「大事なこと」を思い出し、その場に立ち尽くした。


「私は今、どこへ向かっているんだ?」


今日の目的は朝日を拝むことであり、散歩のルートは考えていなかった。このまま帰るのはあまりにももったいない。朝日が昇るこの道をひたすら真っ直ぐに進むのもいいが、それだと帰りが太陽に背を向けることになりチラ見作戦が使えない。セロトニンは朝日が目に入ることで分泌されるので、常に朝日の位置は確認しておきたい。そうするとゴールを決めて進む方向を決める必要がある。「目的地」の選定だ。


少し歩くと公園があるので、そこで軽く運動をしてから帰るというのはどうだろうか。他に候補が思い浮かばなかったので、私は公園までのルートを頭の中で描いて向かおうとしたとき、心の声がささやいた。


(そこでいいの?)


これがまきちゃんの言っていた「雑念」か。うるさいな。外へ出てまだ五分も経っていないのに早速かよ。文句があるなら代案を出せよ。私は先ほど描いた頭の中の地図を拡大して公園周辺を検索した。


「コンビニだ!」


今日は早朝から活動しているので、家に帰ったころにはお腹も空いているだろう。そのコンビニは家から歩いて十五分以上かかるのでほとんど行ったことはないが、散歩には最適な時間だ。さあどうだ、雑念?文句はあるか?


(……)




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