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面接は最初の6秒で決まる  作者: 坂月陽
第五章 朝活
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朝活1

「ピピピッ、ピピピッ」


私は半分目を見開いてスマホの場所を確認すると、手を伸ばしてアラームを止めた。スマホの画面は五時三十分を表示している。カーテンの隙間からは漆黒の闇が解け、うっすらと空が明るくなったのが見える。


私は部屋の電気を点け再び横になる。頭はぼうっとして身体は思うように動かない。脳はまだ寝ていて指令がうまく伝わらないのだろう。


このままだと二度寝をしてしまいそうなので上半身だけ起こして目を強引に見開き、窓の外に意識を向ける。気のせいか数分前より明るくなったような気がした。


私は座ったまま大きく息を吸い、そして倍以上の時間をかけてゆっくりと吐いた。とりあえずの酸素を身体に入れてから立ち上がり、カーテンを開け窓を開ける。


立ち上がったせいか、それとも窓を開け新鮮な空気が部屋に入ってきたせいかはわからないが、先ほどより眠気は少なくなったような気がする。


身体が動くようになればこっちのものだ。そのままトイレに向かい、顔を洗って歯を磨く。誰もがしていることだが、五時三十分過ぎにしている人は少ないはず。私は少しだけ優越感を感じた。


部屋に戻ると、運動に適したそれっぽいシャツと短パンに着替えて玄関に向かう。昨日新調したばかりの黒の運動靴に右足を入れる。少しきつい気もするが最初はこんなものだろう。右足左足の順に足を入れ、紐をしっかりと結ぶ。昨日まではサンダル履きだったので、紐を結ぶ作業だけでも気合が入る。


ドアを開け外へ一歩を踏み出す。私の家は古いマンションの三階で共用廊下から階段を下り、エントランスを抜ける。


「これか!まきちゃんが言っていたのは!」


外は青空が広がっていた。昨日の日中も晴れていたが、今私が見ているものとは少し違う気がした。太陽の角度なのかなんなのか、同じ青空でも空の景色は時間によって変わるということか。


そして体感的に涼しく感じられた。現在は九月中旬で日中は汗ばむ陽気が続いているのに、朝になるとこうも空気が変わるのか。


「これがまきちゃんの言う『凛』としたものか」


確かに涼しいほうが身が引き締まる。そして人がいないので静かで空気が澄んでいて、それが凛と感じる要因なのかもしれない。


「ところで、肝心の太陽はどこだ?」


朝散歩の目的は朝日を浴びて「セロトニン」を分泌することだ。朝日は東から昇るはず。といっても方角がわからない。


「そうだ、ベランダだ」




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