朝ノート3
「朝ノート」についてまきちゃんは言う。
「朝の散歩から帰ったらすぐに朝ノートに取り掛かって。いい?すぐよ。休んだらダメ。そして席に着いたら次の三つのルールに従って朝ノートを書き始めて。
・心に浮かんだものをノートに書く
・言葉で一ページを埋める
・最後の一行は前向きな言葉で締める
解説するわね。『心に浮かんだものを書く』、これは心のモヤモヤを紙に書いて言語化してほしいの。人の身体は睡眠中に情報が整理されるので目覚めたら頭はすっきりするけど、睡眠不足だったり寝るときに不安なことを考えてしまうと整理されないまま残ってしまうことがあるの。それを紙に書き出して心のモヤモヤ浄化させるのよ。
そうはいっても慣れないうちは難しいわね。目に見えないもの、形ないものを言葉にするのは簡単じゃないもの。だから最初は散歩しているときに浮かんだ雑念を紙に書いてみて。例えばこんな感じで浮かんでくるはずよ。
・今日の夕飯はなにを食べようか
・レジにタッチの差で先に入られた、クソ
・昨日のコンビニの店員はイライラしたな、など
本当にどうでもいいことばかり浮かんでくるはずよ。でも、あなたの中でそれがくすぶっている。火は火種のうちに消さないと大火事になるわ。その消化活動が『紙に書く』という行為なの」
なんだかすごいことになってきたぞ。浄化とか消化とか違いはよくわからないが本当に私の生活が、運命が変わりそうな気がしてきた。これまでの朝といえば、昼前に起きてしばらくは動画サイトのおすすめをぼんやり眺めるだけだったが、その生活とも今日でおさらばだ。店を出たらコンビニに寄ってノートとペンを買っておこう。
まきちゃんは解説を続ける。
「次に『言葉で一ページを埋める』、これは自分の心をのぞいて火種がないか確認してほしいの。一つ見つけたら、それに近いものがまた見つかるわ。例えば『今日の夕飯は何を食べようか』を見つけたとするわね。
・自炊かスーパーの惣菜か、それともコンビニ弁当か
・自炊なら肉野菜炒めかしょうが焼きか、それとも時間をかけてカレーを作ろうか
・冷凍チャーハンにキムチ乗せという手もあるな、など
こうした心の火種は『雑念』に形を変えて絶えず心にささやきかけてくるの。集中しようとしているときは特にね。だったら時間をあげるから『思う存分ささやいて』というのが朝ノートの役割なの」
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