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第八十九話:最後の使者

フェニックスとコンドルを仲間に加え、一行は、アッシュの居場所へと、旅を続けていた。夜が更け、砂漠には、冷たい風が吹き、満点の星空が、広がっていた。ライアンとフェンリルは、焚き火を囲んで、静かに、言葉を交わしていた。

「…アッシュは…本当に…この世界を…救おうとしているのか…?」

フェンリルが、呟いた。

「…わからない…ただ…俺は…信じたい…」

ライアンが、そう言って、静かに、焚き火を見つめた。


クロウは、一人、離れた場所で、夜空を見上げていた。彼の顔には、苦悩の色が、浮かんでいた。

「…アッシュ…お前は…何を…しようとしているんだ…?」

クロウは、そう呟き、静かに、目を閉じた。彼の脳裏には、アッシュの笑顔と、冷酷な目が、交互に、浮かび上がっていた。


その時、一行の前に、一台の武装されたオフロード車が、姿を現した。オフロード車の上には、一人の女が立っていた。女は、クロウを見て、冷たい笑みを浮かべた。

「…クロウ…久しぶりだな…」

女の声には、深い悲しみが、こもっていた。

「…『サーバル』…」

クロウは、女の名を呟いた。


サーバルは、アッシュの『秩序』を、信奉する、最も優秀な、狙撃手だった。彼女は、冷酷で、非情な女だった。

「…アッシュ様は…お前を…『裏切り者』として…処刑しろと…命じたぞ…」

サーバルは、そう言って、オフロード車から、M24 SWSを構えた。

パン!

狙い澄まされた一発が、クロウの頭を、正確に撃ち抜いた。

ガツン!

銃弾は、クロウの頭を、貫通せず、彼の頭に、めり込んだ。

「…なっ…馬鹿な…!」

サーバルが、驚愕の表情を浮かべた。


クロウは、頭から、血を流しながら、立ち上がった。

「…サーバル…なぜ…お前まで…」

クロウの言葉に、サーバルは、何も言わなかった。ただ、静かに、銃弾を装填し、再び、銃を構えた。

パン!パン!パン!

サーバルは、クロウの胸を、正確に、撃ち抜いた。クロウは、再び、倒れた。

しかし、クロウは、構わず、立ち上がった。彼の肉体は、瞬く間に、修復されていく。


サーバルは、オフロード車から降り、地上で、クロウと、対峙した。彼女の両手には、FN SCAR-Hが握られていた。

タタタタタタタッ!

サーバルは、クロウに、向かって、銃弾の雨を降らせた。彼女の射撃技術は、驚くほど正確で、クロウの体の、あらゆる場所を、撃ち抜いた。

クロウは、サーバルの銃撃を、巧みにかわしながら、接近していく。

「…サーバル…なぜ…俺を…殺そうとする…?」

クロウの言葉に、サーバルは、涙を流した。

「…クロウ…アッシュ様は…この世界を…終わらせようとしているんだ…」

サーバルの言葉に、クロウは、驚愕の表情を浮かべた。


「…どういうことだ…?」

クロウは、サーバルに、駆け寄り、彼女の顔を、両手で、包んだ。

「…アッシュ様は…『秩序』を…完璧にするために…この世界を…リセットしようとしている…」

サーバルは、そう言って、静かに、目を閉じた。

クロウは、言葉を失った。アッシュの『秩序』は、世界を救うためのものではなく、世界を滅ぼすためのものだったのか。


その時、ジェイクが、サーバルに、駆け寄った。

「…クロウ…彼女は…アッシュの…最後の…刺客だ…」

ジェイクの言葉に、サーバルは、静かに、頷いた。


クロウは、サーバルを抱きしめた。

「…サーバル…俺と一緒に…来い…」

クロウの言葉に、サーバルは、静かに、首を振った。

「…クロウ…私は…もう…戻れない…」

サーバルは、そう言って、静かに、クロウを、見つめた。

ドッ!

銃声が、響いた。サーバルは、自らの胸を、撃ち抜いた。

「…サーバル…!」

クロウの叫び声が、砂漠に、こだました。サーバルは、クロウの腕の中で、静かに、息を引き取った。


クロウは、サーバルの亡骸を抱きしめ、涙を流した。彼の脳裏には、サーバルと、共に過ごした、楽しかった日々が、浮かび上がっていた。

「…サーバル…俺は…お前を…守れなかった…」

クロウは、そう呟き、静かに、サーバルの亡骸を、地面に置いた。


一行は、サーバルの亡骸を、静かに、埋葬した。そして、再び、旅を続けた。彼らの顔には、悲しみと、怒り、そして、決意の色が、浮かんでいた。

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