第百二十七話 玉座の崩壊、天空の銃弾
イリーナの豪華なオフィスは、一瞬にして静寂に包まれた。コウ、メイファン、ホアキン、クロエ、マルタは、それぞれ武器を構えたまま、ソファに座るイリーナを見つめている。彼女の手にあるFN Five-seveNが放つ鈍い光が、コウの心臓を締め付けた。
「よく来たわね、コウ。私の支配から逃れようと、こんなところまで…」
イリーナは、冷たい笑みを浮かべたまま、コウに言った。
「俺は、お前の支配から逃れるために、ここに来た。そして、お前を…お前を捕らえる」
コウは、FN SCARの銃口をイリーナに向け、毅然とした態度で答えた。
「…やってみなさい。あなたには、私を捕らえることはできない。この部屋に一歩でも足を踏み入れた時点で、あなたの負けは決まっていたのよ」
イリーナは、そう言って、ニヤリと笑った。
その言葉に、コウは眉をひそめた。イリーナの言葉には、何かの罠が隠されていると直感したからだ。彼は、警戒を怠らず、イリーナに近づこうとした。しかし、その時、イリーナの背後にある壁が、音もなくスライドした。
「…何だと…!?」
コウは、驚きのあまり、言葉を失った。壁の向こうには、武装した護衛たちが、まるで壁のように立ちはだかっていた。彼らが手にしているのは、MP5K。小型で取り回しの良い短機関銃は、室内での戦闘に特化している。
「…コウ…! 罠だ!」
クロエが叫んだ。彼女は、AA-12を構え、護衛たちに銃口を向けた。
「遅いわ、クロエ。あなたたちは、私に逆らった。その代償は、命で払ってもらうわ」
イリーナは、そう言って、FN Five-seveNを構え、コウに銃口を向けた。
「…クソッ!」
コウは舌打ちし、ホアキンに叫んだ。
「ホアキン! システムをハッキングしろ! この部屋の罠を、全て解除しろ!」
ホアキンは、コウの言葉に頷き、震える手でタブレットを取り出した。彼は、イリーナの城塞のシステムを解析し、罠を解除しようとした。
その一瞬の隙に、イリーナの護衛たちが、一斉に発砲した。
タタタタタタタ!
MP5Kの軽快な銃声が、オフィスに響き渡る。コウは、反射的にソファの陰に身を伏せた。銃弾が、ソファを貫き、壁にめり込んでいく。コウは、ソファの隙間から、FN SCARを構え、護衛たちに反撃を開始した。
パン!パン!パン!
コウの銃弾は、護衛たちの頭部や胸を正確に貫き、彼らは次々と倒れていく。しかし、護衛たちの数は、圧倒的だった。彼らは、コウの銃撃をかわしながら、コウたちに銃弾の雨を降らせる。
「くそっ…! キリがねえ!」
マルタが、Izhmash Saiga 12を構え、護衛たちに銃弾の雨を降らせた。彼女の銃弾は、護衛たちの体を吹き飛ばし、オフィスに血の華を咲かせた。
クロエも、AA-12を構え、護衛たちに応戦した。**ダダダダダダダ!**という機関銃のような怒号が響き渡り、護衛たちは次々と倒れていく。
その時、イリーナが、コウに向かって、FN Five-seveNを発砲した。
パン!
乾いた音が響き、銃弾は、コウの横をかすめ、ソファを貫いた。
「…くそっ…!」
コウは、イリーナの射撃の正確さに、驚きを隠せないようだった。彼は、イリーナに銃口を向け、発砲しようとした。しかし、その時、イリーナの護衛の一人が、コウに銃口を向け、引き金を引いた。
タタタタタタタ!
コウは、反射的に体をひねった。銃弾は、コウの腹部をかすめ、彼は痛みに顔を歪めた。
「…コウ!」
メイファンが叫んだ。彼女は、グロック17を構え、コウに銃弾を撃ち込んだ護衛に反撃した。**パン!パン!**と乾いた音が響き、護衛は、その場に崩れ落ちた。
「…ありがとう、メイファン…!」
コウは、メイファンに感謝の言葉を口にした。
その一瞬の隙に、イリーナは、オフィスにある豪華な机の陰に身を隠した。
「コウ、落ち着け! あいつは、お前の銃弾じゃ貫けない防弾服を着ている!」
クロエが叫んだ。
コウは、クロエの言葉に、顔をしかめた。彼は、イリーナの周りに、常に危険が潜んでいることを、ようやく理解したのだ。
「マルタ! クロエ! 援護しろ! 俺が、イリーナを捕らえる!」
コウは、そう叫び、FN SCARを構え、机の陰に隠れているイリーナに向かって、発砲を続けた。
ダダダダダダダ!
FN SCARの重厚な銃声が響き渡り、机は次々と蜂の巣にされていく。イリーナは、机の陰から、FN Five-seveNを発砲し、コウに応戦する。
「フン…、無駄よ、コウ! あなたの銃弾は、私には届かない!」
イリーナは、嘲笑うかのように言った。
その時、ホアキンが、叫んだ。
「…コウ! 部屋の電気が切れる! 10秒以内に…!」
ホアキンは、イリーナの城塞のシステムをハッキングし、部屋の電源を落とすことに成功したのだ。
「…よし!」
コウは、ホアキンの言葉に、ニヤリと笑った。
「イリーナ! お前の負けだ!」
コウは、そう叫び、引き金を引いた。**ダダダダダダダ!**という怒号が響き渡り、机は、木っ端微塵になった。
しかし、イリーナの姿は、そこにはなかった。彼女は、机の奥にある、隠し通路から逃げていたのだ。
「…くそっ!」
コウは、イリーナの逃走に、歯ぎしりをした。
「コウ、大丈夫か!?」
クロエが、コウに駆け寄った。
「…ああ。だが、イリーナに逃げられた…」
コウは、悔しそうに言った。
「いいや、まだ終わってない。俺たちは、イリーナ様を捕らえる。それが、俺たちの使命だ!」
マルタは、そう言って、コウの肩を叩いた。
「…ああ。行くぞ!」
コウは、そう叫び、彼らは、イリーナの隠し通路へと向かった。




